オフセット印刷で水性インキは使えない
オフセット印刷で水性インキは使えないのですか?
Category: 印刷のこと
日本の印刷物のほとんどは油性インキで刷られていますが、環境負荷が低いのは石油系溶剤を使わない水性インキです。それなら水性インキをもっと使っていくべきなのですが、そうはしにくい理由があります。
A.
使えません。印刷原理が違うからです
なぜフレキソ印刷だけが水性インキで、普通のオフセット印刷は油性インキのままなの?面倒なことから逃げてません?
オフセット印刷とフレキソ印刷は、印刷原理が異なるからだ。
インクは次のように付き、これが紙に移される。
平版は、18世紀に発見された石版画(リトグラフ)と同じ原理。化学的に処理して製版し、版の上に「水とくっつきやすい部分、油とくっつきやすい部分」を作る。版に水を与えながらインクを乗せると、必要ない部分にはインクが付かない。水と油が弾く性質を使って印刷するということだ。
2014年に公益社団法人日本印刷技術協会がサイトに掲載した情報では、アメリカでは印刷物の6割に水性インキが使われている。ヨーロッパでも3割強が水性インキとなっているが、日本では1割に満たないそうだ。そのため、日本も世界に倣って水性インキ化を進めるべきだと言われるんだな。
公益社団法人日本印刷技術協会は、「なぜ欧米ではフレキソが多いのかというと、色に対する価値観が日本とは全く異なるからです。欧米では日本ほど印刷再現の問題がないからです」と言っている。
井上工業所では、オフセット印刷のインキも環境負荷の低いベジタブルインキを使っているから、昔のように有機溶剤を大量に使っているわけではない。
また、大量生産の場合は水性インキが使えるフレキソ印刷を推奨している。1万枚を超えるような紙袋の場合は、フレキソ印刷の方が安価になるのでお客様にもメリットが大きいのだ。
水性インキを使いたい場合は、フレキソ印刷となります。フレキソ印刷は表現に制約があり、製造枚数も大量ロットの場合に限ります。詳しくはお問い合わせください。
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