毎日が歴史の積み重ね

ー 御社の事業について教えてください。

渡邉様： 私ども名古屋城振興協会は、名古屋城に関する資料を蒐集・展示したり、子ども向けの各種教室を実施したりするなど、教育文化活動を行っています。 また、名古屋城内で土産物店や茶亭の運営など来場者の「サービス」に係る事業も行い、名古屋城の魅力向上に各方面からアプローチしています。

ー 名古屋城について教えてください。

渡邉様： 名古屋城は徳川家康が築城した城です。西国を中心とした大名たちによる石垣普請や、江戸時代に当時の最新技術を駆使して築城された名古屋城天守は全国でも最大規模を誇ります。そうした歴史ロマンあふれる名古屋城は、日本全国からだけでなく、世界各国から来場者があります。天守のふもとにある復元本丸御殿も見逃せません。本丸御殿は、多くの貴重な史料により忠実な復元がなされています。勇壮な天守、優美な本丸御殿の並ぶ姿は圧巻です。

ー スタッフ様はどんなお仕事をなさっていますか？

渡邉様： 名古屋城の表舞台を陰で支えているのが、私ども団体の職員をはじめとした各所に配置された多くのスタッフです。 名古屋城の魅力を皆様にお伝えできるよう、歴史を紹介したり様々な展示・企画を行ったりしています！ 私ども団体のスタッフはみな部署を超えてオールマイティに業務をこなし、繁忙時には名古屋城内をあちこち走り回ってお客様の対応にあたっています。 学芸員ももちろん他部署へ走ります。お客様の並ぶ列の整理をしていたら、お偉い上役がチケットもぎりをしていたなんてこともありました。 「名古屋城楽しかった！」「また来たい！」というお客様の声をモチベーションに日々業務に当たっています。

ー 名古屋城に関する資料を蒐集・展示する際に大切にしていることはどんなことですか。

渡邉様： わかりやすく、最新情報をいち早くお届けすることを大切にしています。 お城は建てられた時がスタート地点。毎日が歴史の積み重ねです。 ざっくり辿りますと、1610年の築城開始から明治維新までは、尾張徳川家17代に渡る居城でした。 その後、明治時代初期には軍隊の施設として使用され、その後昭和時代初期まで皇族の離宮として用いられました。 そして1930年に下賜された翌年から、名古屋城が一般公開されるようになりました。 現代でも発掘調査が行われるなど、名古屋城は日々その歴史を重ね続けています。 また、現在進行中の発掘調査によって、江戸時代に城内にあった米蔵の位置が確認されました。 これは尾張藩に米が税として納められていて、城内で貯えることで万が一に備えていたことを示唆しています。 このように名古屋城はその長い歴史のどの時代を切り取ってもストーリーがあります。 わかりやすく伝えることで、観光に来てくださった方に楽しんでもらい、何か一つでも覚えて帰ってもらえると嬉しいです。 日本中に様々な史跡がありますので、またどこかに行った際にここで覚えた知識と繋がっていってくれるといいなと思っています！

お求めくださった商品を大事に持って帰ってもらいたい

ー どのようなシーンで紙袋が活躍していますか？

渡邉様： ミュージアムショップ「三番御蔵」でお客様が購入された商品を紙袋に入れてお渡ししています。大きな図録だったり、郷土玩具の作品だったり、お客様が選ばれた「とっておき」の商品を入れてお渡ししています。 お客様がお求めくださったものを大事に持って帰ってもらいたい、という想いから、紙袋は無料で配布しています。

ー 依頼の経緯や、依頼時のお悩みはどのようなものでしたか？

渡邉様： ミュージアムショップのバッグというと、透明のビニールバッグが多く見受けられます。 厚みのある無色透明のビニールバッグは既製品ではなかなか売っておらず費用もかさみます。 透明なので図録などを入れると図録の宣伝にはなりますが、「その図録がどこで売っているか」はわからないという課題がありました。 そうした現状から、オリジナル紙袋という選択肢が浮上しました。 以前に「お店の紙袋は、そのお店の広告塔となる」と教えられた事があります。 持っている紙袋で、その人がどんなところで買い物を楽しんでいるのか、その人の生活までも垣間みることができます。 そうした思いにより、「ミュージアムショップで使用する紙袋はオリジナルを作りたい！人の目に留まるような紙袋にしたい！」とデザインから作成することにしました。

米袋をイメージした素朴な印象の紙袋

ー 新しい紙袋に期待したものは何でしたか？

渡邉様： 米蔵跡にある米蔵の外観をした西の丸御蔵城宝館のミュージアムショップにふさわしいように、米袋がイメージできるクラフト感のある素材で、派手すぎず、それでも目に留まるようなものを目指しました。また、日々消費するものなので、コストも最小限に抑えることを考えました。

ー 特徴的なデザインですね！どなたがどんな風にデザインなさったのですか？

渡邉様： 私がデザインしました！ 西の丸御蔵城宝館の外観を写真に撮り、図案化しています。 また、紙袋を見た際に一番最初に建物の名前が目に入るよう、紙袋の表と裏に『西の丸御蔵城宝館』と入れました。 紙袋のサイドには、協会名と住所、電話番号を入れています。 これは商品に不備があった際や追加注文の際に、素早く連絡先がわかるようにするためです。 商品自体は様々なメーカー様が作っているため、販売した当店の情報を紙袋に記載しておくことで、当店の宣伝にもなり、かつ、問合せ先がわかることでお客様の利便性を上げることができます。 お土産でもらったという方から「商品について教えてほしい。」や「この商品はまだ売っていますか？」といったお問い合わせをいただくこともあります。

街で紙袋をお持ちの方を見かけたとの報告に、心の中でガッツポーズ！

ー どのように井上紙袋を見つけてくださいましたか？

渡邉様： 「オリジナル」「紙袋」「安価」などで検索してヒットしたのが井上紙袋さんだったかと思います。

ー　井上紙袋にご注文いただいた決め手は何でしたか？

渡邉様： 制作事例が多くHPに掲載されておりイメージがつかみやすかったのと、データ入稿がしやすいことから選びました。 以前に使用していたビニールバッグより安かったことも、背中を押してくれました。

ー 依頼時の対応はどうでしたか？

渡邉様： 全くわからないところから始まったのですが、丁寧にご案内をしていただき、安心して進めることができました。 色のイメージなど送付していただいたのも良かったです。 また、データ制作の際の注意などもとても分かりやすかったです。 例えば、紙袋の折り目の部分はクワエ跡という折りジワができてしまうので、その部分に文字の横棒などが被らないように調節するといいとのことでした。 このクワエ跡が出る部分が、デザイン入稿用のテンプレートに明示されていたので、デザインの位置の調整がしやすかったです。 また、斜めの線などに関する印刷の出方も教えていただいたので、デザインをブラッシュアップし、きれいな仕上がりを実現することができました。

ー 完成品を見た時の印象、実際使ってみた印象をお聞かせください。

渡邉様： 納品された紙袋はイメージよりもずっと良いものができました！ デザインや仕様を考える際には、当方で印刷できる最大サイズのA3用紙に印刷したミニ紙袋を作り、デザインの位置などを考えながら確認していました。 その甲斐もあり実際に仕上がった大きなサイズの紙袋は、ダイナミックに描いたイラストがより映えるものになったと思います。 また、未晒クラフト紙が想像以上に米袋感を醸し出してくれていたのも良かったです！ 街でこの紙袋をお持ちの方を私自身はまだお見掛けしていないのですが、他のスタッフが「見たよ！」と嬉しそうに報告してくれて、心の中でガッツポーズをしました！ 紙袋の側面の電話番号を見て、商品についてお問い合わせくださった方もいらっしゃいました。 PR面でも実用面でも紙袋が狙い通りの効果を発揮してくれていて、作って良かったと感じています。 名古屋城は年間200万人以上が訪れるのですが、西の丸御蔵城宝館にまで足を運んでくださる方はその内の３割程度です。 これからもっと西の丸御蔵城宝館を皆様に知ってもらい、たくさんの方に来ていただきたいです！