紙焼きとは。入稿物なのか印刷物なのか?
か
かみやき
【紙焼き】
紙焼きとは、印画紙に焼き付けたもの、印刷されたもののこと。
「入稿物」のことを指す場合もあれば「印刷物」を指す場合もある。
印刷物なのか入稿物なのか?厄介な話ですが、これを説明するためには、アナログ製版時代の印刷の話をしなければなりません。
まず、印刷製版がデジタルデータ化される以前は、入稿データは紙でできていました。
この紙の原稿(版下)の校正作業をするために複写が必要なのですが、普通紙のコピー機が発売されたのは70年代です。コピー機が普及する以前は、カメラで撮影して暗室でフィルムを現像し、フィルムを紙焼き機にセットして印画紙に焼き付けていました(普通紙コピー機以前のコピー機の原理もこれと同じです)。
これは、主に校正のために複写を作る目的で行われましたが、原稿の原本を入稿せずにこの印画紙を入稿することもありました。
紙焼き機は写真の「引き延ばし機」(下写真が引き伸ばし機)と同じ構造です。印画紙とフィルムとの距離、ピントを調整すれば、拡大縮小することができます。媒体のサイズに合わせて版下を拡大縮小しなければならない場合は、原本ではなく、この印画紙を入稿しました。
この印画紙が「紙焼き」で、「入稿物としての紙焼き」です。
(ここから製版する工程については、長くなるため省きます)
写真や絵画など現物を印刷所に持ち込む場合、その原稿は「反射原稿」と呼ぶのが一般的ですが、これを紙焼きと呼ぶことがあります。本来は印画紙のことでしたが、「紙」を「入稿」しているためにこのように呼ばれるようになったと思われます。
印刷物としての「紙焼き」は紙に焼いた写真から来ています。
最近はあまり見なくなりましたが、昔の写真は印刷(=インクを版から紙に移す方法)ではありません。フィルムから印画紙を感光させて焼き付けていました。印刷会社や、コンビニや家庭のプリンターによる「写真プリント」が一般的になったのは、まだ20~30年前のことです。
この写真は印刷用の版ではなく、それ自体が目的の成果物です。そのため、「印刷されたもの」という意味と混ざって印刷物を「紙焼き」と呼ぶ慣習ができました。
データではなく紙の印刷物として欲しい場合「紙焼きにして」と言ったりします。
Macしか知らない若いデザイナーさんは、この用語を知らないかもしれません。写植時代からある古い印刷用語ですが、印刷業界では現役の言葉です。
このワードを使うシーンと、使い方
例文 1
お客さんから「紙焼きでください」って言われたけれど、印画紙を渡すのか印刷物を渡すのかわからなくて先輩に聞いたら、「それは印刷物のこと」と言われた。めちゃくちゃややこしい。
例文 2
スキャナーを持っていないので、写真部分は紙焼きを入稿した。
例文 3
紙焼きとか言ってると、業界知識あるっぽくてカッコイイかも。
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