ホームページに立派なコンテンツが欲しいけれど何をやったらいいかわからない時は、インタビューにチャレンジしてはいかがでしょうか。ちょっと難しいですが、一度やり方を身につけてしまえばコンテンツ作成が楽になります。インタビューの取材のコツ、テキストの書き方をご紹介します。
インタビューはサイトの財産!チャレンジしよう
Webサイト内でオリジナリティのあるコンテンツを作ろうとした時に、比較的ハードルが低いのがインタビューです。話を聞いてテープ起こしをして、それをまとめれば情報量とボリュームのあるコンテンツを作ることができます。
話を聞く相手が有名人でなくても、まったく臆することはありません。
・老舗のお茶屋さんに、商店街の成り立ちを聞く
(商店街のサイト)
・取引しているブリーダーに、チワワの健康管理のポイントを聞く
(ペットショップのサイト)
・仕入れをしている農家に、有機農法について聞く
(製菓店のサイト)
・お客様に、勤怠管理システム導入の経緯と業務改善されたポイントを聞く
(ソフトウェア開発会社のサイト)
こんな風に、いくらでも思いつきますよね。
特に、お客様へのインタビューは直接的に商品PRにつながるので意義があるでしょう。
インタビューを作る時の、基本的で大事なこと
一番大事なことは、インタビューは会話の書き起こしではないということです。
ちゃんと読み物として成立させるためには、構成が必要になります。
実際に話した順序にとらわれず、文章の塊ごとの内容に沿うように再構築していきます。
次に大事なことは、インタビューの質が勝負を決するということです。
素材ありきのライティングなのにインタビューに失敗すると、書いている途中で途方に暮れることになります。
何をテーマにするのか、どんな言葉を引き出したいか、どんな風に質問するのかをイメトレしておくと良いでしょう。
質問項目は事前に作りすぎない
ある程度の下調べは必要ですが、相手のことを知り尽くしているなら聞く意義がありません。事前に作成する質問は、あえて大雑把なものにとどめ、基本的には会話で相手から言葉を引き出します。
最も悪いインタビューは、一問一答をやってしまうことです。
一問一答で聞いた例:
Q 先代から会社を任された直後の、ヒット作○○○○についてお伺いします。
A はい。
Q 着任当時、22歳だったとのことで、ご不安はありませんでしたか?
A ありましたね〜。大学を出たばかりでしたから。でも、継いだからにはやるしかないなって覚悟を決めました。
Q 最初に手がけたお仕事は○○○○とのことですが、開発経緯を一言で表すと?
A 開発は私の入社前から始まっていたので具体的には知らないんですが、やっぱり困っている人を助けたいというコンセプト。弊社の商品に共通するのはすべてこれですね。
Q 今後の目標について教えてください。
A これからも、世界に通用する製品を作っていきたいです。製品強度は絶対に負けません。
これでは言葉も少なく、上っ面ばかりで深さと広さがありません。インタビュー慣れしていない相手だと、緊張して短い返答になってしまうことがよくあります。想定外の情報や本人らしい言葉を集めるために、スムーズな相づちだけではなく、ひっかかりのある質問をするのもおすすめです。
・もう知っていることを聞く(相手に解説させる)
・あえて間違ったことを聞く(相手に訂正させる)
・ちょっとムカつく聞き方をする(相手に反駁させる)
・広がりそうなポイントはあえて脱線する(情報を出させる)
中でもおすすめは「あえて間違ったことを聞く」「ちょっとムカつく聞き方をする」です。人って反論する時には自然と興奮して、言葉も多くなるものだからです。喋ることで緊張も早くほぐれます。
ちょっとムカつく聞き方をした例:
Q 卒業と同時に代表就任ということは、ここが最初の社会経験ですか?
A いや、学生時代は就職希望だったので複数社にインターンに行ってました。いろいろな会社は見てます。アルバイトもずっとしていたので、うちが唯一の会社経験というわけではないですよ。
Q インターンは、今と同じ業種の会社に修行みたいな感じで?
A いえ、広告業界でした。学生時代は広告業界希望だったので。
Q じゃあその業界をあきらめて、異業種に飛び込まれた?
A まあそうなるんですけど……。会社の話が出たのは大学4年目の9月でしたから。急でした。おやじ何言ってるんだと反発しました。でも広告業界で学んだことは無駄ではなかったと思いますね。人脈も今でも生きているし。お客さんを思って物を作るという意味ではリンクする。それに、違う業種に行ったことが逆に良かったなって。
Q とおっしゃると?
みたいな感じで広げていきましょう。ただし、嫌なヤツだと思われない程度にしましょうね。
効率のよいインタビューの書き方
1 テープ起こしを箇条書きにする
インタビュー内容は録音してテープ起こしを行います。その原稿を拾い読みしながら、何について話しているのかの要旨を箇条書きで書き出します。
「あ、そのまま抜き出して使えそう」「いいこと言ってる!」みたいな発言が出てきても、この段階では無視します。心に留める程度にしましょう。
あからさまな脱線は抜き出さなくてOKです。
下のような感じです。
書き出しの例:
・父の引退、大学4年目に告げられてショック……
・本当は広告業界に行きたくて
・広告業界にいたから同業他社がプロモーションに弱いことを知った
・過去にやった面白い広告の取り組み、SNSをやるかやらないか
・新社会人としての苦労、業界の古い体質
・なぜ古いのか→技術者ばかりで売る人が……
・中国企業の台頭がすごい。このままじゃ負ける
・旅行に行った話(タイ、中国)
・展示会で見た営業チームのすごさ。日本語ペラペラ
・時代変わってることに気づいてない。繊維業の話
・これじゃいかん。「親父に顔向けが、子どもに背中を……」
・それでやってるのが今の取り組み
……
2 テーマを決める
箇条書きにした項目を一望し、抽出できそうなネタを絞ってテーマを決めます。
「誰に何を伝えるか」がテーマになります。
下のような感じです。
テーマの例:
・新規の顧客に、機械製造業に変革をもたらす社長のチャレンジを伝える
・既存の顧客や投資家に対して、常にチャレンジを続ける会社であることを伝える
・新規の顧客に、我が社の歴史や真摯な物づくりの姿勢を伝える
・他社と比較して迷っている顧客に、我が社の機械が海外でも認められていることを伝える
3 構成を決める
仮の見出しを書きながら構成を決めます。箇条書きにした項目がそれぞれの見出しにほどよい文量で分配できるかを確認します。素材が足りなくても、インタビューは勝手に加筆できないからです。
構成を組む時には、次のことに気をつけます。
テキスト全体で一つの論を構築するようにする
あれもこれもと入れたくなりますが、テーマに沿わない項目は切り捨てます。
そうでないと、一つの読み物としての体裁を成さないからです。
話した順にとらわれず、読みやすさ、説得力、面白さを基準に並び替えましょう。
これはメモ的なものなので、自分がわかればOKです。
見出しと構成の例:
テーマ「新規の顧客に、機械製造業に変革をもたらす社長のチャレンジを伝える」
1 この業界に入って一番驚いたこと(体制が古い)
・具体例1(展示会でのできごと)
・具体例2(語学力がなくてあきらめた話)
2 この業界でやっていきたいこと(今一度世界にその名を知らしめたい)
・とりくみ1(海外視察のこと)
・とりくみ2(採用活動の変化)
3 今後の展望
4 本文を埋めて本番の見出しを書く
あとは本文をどんどん書き進めます!インタビュー記事には、全文インタビューの抜き出しで構成するもの、地の文とインタビューを織り交ぜるもの、インタビュアーを登場させるか否かなど、様々な形式があります。
その形式通り埋めていきますが、地の文を書くインタビューは難易度が高いです。
初心者は、「小見出しに質問、本文は全文相手の発言」で構成するのがおすすめです。
本文を埋めたら本番の見出しにします。各見出しの文字数がある程度揃うようにし、キャッチーなものにします。
5 タイトルやリードを書く
見出しと本文にあたる部分をすべて書き終わってから、タイトルとリードを書きます。この二つを最後に書くのは、Web用に最適化したテキストにするため。
こちらの記事も同時に読まれています
→「Webライティングの書く順番」
→「うまいリードの書き方」
これでインタビューコンテンツがあなたのものに!
以上、熱血野郎でした〜。