素晴らしい名文を書けるかどうかではなく、「膨大な時間を費やさずに目的を達する文章を書けるかどうかをビジネス的に見極めるのが大事」だという話をいたします。本業に障るなら、無理に書かずに文章は外注すればいいのです!外注のコツを教えます!
ネットで売るなら、文章を書けないと生きていけない
インターネットにおいて、最もパワーを持っているエレメントはテキストです。写真、動画、イラスト、音楽、アニメーション……どれも人を動かす力があるけれど、より普遍的な意味を持つ情報は言葉だからです。それに、ネットではテキストが動線のほとんどを作っているからです。ネットで物を売ろうとするなら、1,000文字くらいの原稿は日常的にさっと書けなければなりません。
文章が書けないということは、=ネットにおける戦闘力の欠如を意味します。
※書ける人は自分で書いた方が絶対にいいです。業界のことを知らない素人よりも、情報を持っている人が自分で書いた方が絶対に価値のあるコンテンツを作れるからです。ただし、書くのって思った以上にしんどいんですよね。うまく書けない、時間がかかる。しんどいと思っている方に向けて、ここから先を書いています。
なぜ書くのがしんどいのか。こんなに時間がかかるのか
実際に書いてみると、ほとんどの方が見積もりより時間がかかるはずです。
思いついたままに書き殴る個人のブログならともかく、人に情報提供するなら必ず以下の作業が必要だからです。小さなバナー広告でも、小説を一遍書くのも、基本的には同じです。
テーマと結論を決めて、理解しやすい構成を作る。
言いたいことを裏付けるための情報を集める。事実確認をする。
文体を統一し、単語の重複と文末の連続を避ける。
音のリズムを整える。句読点で黙読リズムを整える。
表記を統一し、特定漢字をひらいて統一する。
できるだけ読みやすく親切な表現を心がける。
不要な接続詞や表現を削除して推敲する。
これを学校では体系立てて教えてくれません。
作文は何度も書かされるのに、まともな添削はされない。
文章を書くことに対して、ほとんどの人は圧倒的にトレーニング不足です。
冷静な経営判断で、テキストを外注しよう!
井上ひさし御大が文章テクニックの本を出していることからすると、たぶん文章力は鍛えることができるのでしょう。でも、短期的な上達は難しいと思います。
若い頃から地層のように読書を重ねていない人は、語彙が少ないので言い換えができない。酒の味がわからない人が杜氏に向いてないのと同じ理屈で、よい文章を知らないと、目標とする着地点がそもそも低い……。
・書くことが思いつかない
・書きたいことがあるのに筆が進まない
・書き始められるけれど書き終わることができない
・よく人から「何が言いたいのかわからない」と指摘される
・読み書きが好きではない
上に当てはまるなら文章を書くのはよした方がいいと思います。損するからです。繰り返すけど、文章を書くのはしんどいし、時間がかかる。
「日本人なら日本語は誰でも書ける」という見積もりの甘さを捨てて、生産性の低い作業に時間を割かずにプロに外注する。そのぶん本業に専念する。これは正しい経営判断ではないでしょうか。
僕は学も教養もないけれど、書くのが苦痛ではない・書くのが速い人には分類されます。また、読むのが苦痛ではない・読むのが速い人でもあります。好きというのは、何かをするための基本的な素養です。だから、お金がなかった経営者時代は自分で何でも書きました。でも失った時間も膨大でした。外注できるならしてもよかったかな〜と今は思っています。
テキストを外注する時のポイント
テキスト代行は、せっかく外注したのに呆れるほど低品質な記事があがってくることも多いです。ほとんどのテキスト代行会社が実労働をさらに外注していて、品質をコントロールできていないからです。軌道に乗せるまでが難しいですが、それも慣れです。
「コンテンツ制作」「テキスト 外注」「Webライティング 代行」などで検索すると、沢山の会社がヒットします。どこがいいのかわからないので料金しか指標がないのですが、単純に料金と品質が比例しないのも厄介なところ。
そこで、テキストを代行する時には、次のことを必ずやりましょう。そんなワガママ聞けないという会社だったら、その会社自体をやめましょう。
1 品質を指定する
打ち合わせでは、ターゲット、目的、文体、依頼するテーマなどを指定して終わりです。ここに、品質の指定も提案します。サンプルとなるテキストをいくつか見せて、「最低限このクオリティのものを書けるライターを付けてください」と言いましょう! 駄目な例も見せると伝わりやすいです。
代行会社は複数のライターを抱えていて、ライターごとの優劣は把握しています。同じ値段なら、いいライターをつけてもらうに越したことはないです。何も言わないと最低ランクのライターになる可能性があります。
2 テスト記事を1本書かせる
複数本の仕事を依頼する時には、最初にテスト記事を書かせます。それが気に入らなければ、はっきり言いましょう。ほとんどの場合、同じ書き手に直させるよりも「書き手を変えてほしい」と言った方が話は早いです。安価なWebライティングの代行はほぼ素人の在宅アルバイトなので、ライターの中にも「書けない人」が当たり前にいるのが恐ろしいところです。
3 書き手を一人にしてもらう
複数の仕事をお願いする場合は、複数のライターが記事ごとに分業する場合があります。「できれば一人の人に専任で継続してほしい」と言っておくと、品質が保たれます。書き手も経験と情報を積めるので、どんどん記事がよくなります。
4 ギャラはある程度出す
ギャラは文字単価が多く、最安では1,000文字1,000円から。上は1記事10万円以上もあります。
安価なテキスト代行でプロに当たる可能性はゼロ。在宅ライターの求人情報を見るとわかりますが、書き手のメインは主婦や学生です。その中にも優秀な人がいますが運でしかない。狙うのはセミプロといったところです。感覚的にですが、1,000文字5,000円以上は出した方がいいと思います。時給に換算すれば、それがけっして法外な値段ではないことがわかるはず。特に、自分で書いた場合の時間を考えると、それだけ浮くのはメリットしかありません。
5 取材して書ける人を押さえる
在宅ライターは基本的に取材をしません。電話一本すらしない。僕は、そこがプロと素人の分かれ目かな〜と思っています。取材なしで記事を書くということは、もらった資料とネット検索しか素材がありません。当然、料理の仕方が違ってくる。実際に追加のギャラを払って取材してもらうかどうかはさておき(笑)、「取材できるライターをつけてほしい」と言っておくのは、少しでも信頼できるライターを確保するのにいい手だと思います。
6 投げっぱなしは厳禁。情報提供と監修は絶対!
いい記事を作るためには、可能な限り一次ソースに基づいたオリジナリティのある記事を作る必要があります。しかし外注のライターは、あなたと違ってその道のプロではありません。なので、「○○について書いて」だけではなく、情報提供だけはしっかりしなければなりません。これをしないと中身スカスカのゴミコンテンツしかできようがないからです。これは書き手の問題でなくて発注側の問題です。
納品されたテキストに対しても、チェックがザルだと品質はどんどん低下します。厳しい目を持って改善点を伝えていくのが当たり前……という姿勢でいましょう!