自由気ままに記事をアップしているように見える僕も、実は筆が止まることがあるんです。たまーに。そんな時に手に取ったのがこの本。月3,000本もの記事を配信するニュースサイト『ナタリー』の新人研修担当:唐木元さんが「ライターを作る」メソッドを書いています。
素人からライターになるための方法を紹介した本です
ナタリーというのはこのメディア。
●ナタリー
芸能、音楽、映画といったエンタメ系情報をアップしているニュースサイトです。毎月3,000本も記事が上がるそうですが、プロ(たとえば出版出身のライター)を集めて書かせているわけではなく、ほぼ素人を採用して研修でライターに育てているのだとか。
一体どんな手を使って?ということを、ナタリーの研修担当者が書いたのがこの本。
『新しい文章力の教室』(唐木元著/インプレス/2015年)
つまりこの本を読んで完璧に理解すれば、ナタリーの記者レベルのライターにはなれるということですよ。最初から全てできる人なんていないんだ!読みたくなるでしょ?
のめり込み度が一流なら誰でもライターになれる?
『ナタリー』では「書くことはあとから教えられるが、好きになることは教えられない」というポリシーによって、ライターとしてなんの実績もない未経験者の採用がほとんどだそう。
前途多難なようにみえる新人研修ですが、このナタリー式トレーニングを体得してしまえば1日15本書けるようにもなれるっていうから驚きです。悩める子羊たちに希望の光が見えてくる!
さすがの読みやすさ。具体例が沢山あるから読みやすい
まず、この本は右開きの縦書きではなくて、左開きの横書きです。ネットで読むことに慣れている世代向けですし、ネットで読まれることを目指した本なので当然かもしれませんね。
「完読される文章が目標」ということから始まり、最後まで「完読」がキーワードとして出てきます。
具体的な例題を交えつつの解説で、どこがダメでなにを直したのか分かりやすい。この本が実証してくれています。流し読みするつもりだったのに、しっかり完読しちゃいました。
書く前に準備から。始まりは構成シート
「これぞナタリー式」という事例を紹介します。
新人記者には、最初の30本が書けるようになるまでは、この構成シートを必ず手書きで書くように指導するそう。いきなり文章を書き始めるなんて無理だからです。な「手書き」にこだわるのかは、よくわかりませんでした。
構成シートの作り方
①紙にテーマ欄を作る(まだ空欄)
②書きたい話題を箇条書きにする
③箇条書きを眺め、全体のテーマを決めて①のテーマを埋める
④話題をどの順番で書き進めるか決めて、番号をふる
⑤紙を替え、④で決めた順序通りに書き直す
⑥話題の優先度をABCでランク付けする
この作業が頭の中で瞬時にできるようになったら一人前だそうです。
あ、これ僕もやってました。「ナタリー式」だったのか……。
たぶん、書き慣れている人は頭の中でこれをしています。ゼロから始める人は、そこを意識的にやるとトレーニングになるよ!ということなのでしょう。
「へえ〜」と思った人は今すぐトライ。
初心忘るべからず。
唐木氏の新人研修ゼミには、スランプ中の記者もよく参加されるそうです。
そのほとんどが基礎を確認することでブラックホールからの脱出に成功。やっぱり何事も初心忘るべからずって話ですね!読者目線を忘れずに。僕も肝に銘じておきます。