客商売をやっていると、お客様の要望に応えられないシーンってけっこう多くないですか?その時に、どうやって断るのかにお店の姿勢やお客様への愛情が出ると思います。できなくて断る時に、印象を悪くしない文章の書き方をご紹介します。
顧客を刺激する断り文章は、こういうのです
断る時ははっきりと!というのはビジネスの基本ですが、どこまでいっても商売は人間同士。
ちょっとした言葉の使い方で印象が悪くなってしまいます。
下のような注意書きは、わりとどこでも見ます。
・ユッケのお持ち帰りはお断りしております。
・17時以降のお問合せに対しては、当日のお返事はできません。
・セール品はお一人様3個まででお願いします。
・整理券をお持ちでない方は、ここからは入場できません。
・ベビーカーでの参加は禁止いたします。
事実を端的に書いているのでしょうが、これだとちょっと感じが悪い。
受け手の気持ちがフラットなら問題ない一文なんですが、これにカチンと来る方だっていますしね。言い方は悪いですが、クレーマーをいかに排除するかは客商売の宿命みたいなもんです。精神的に削られないために、怒れるお客様ではなく寛大なお客様でいてほしい……。
だから、怒れるお客様を生み出さない工夫をするのです。
こう書くと好印象になる、断り文章の4つのポイント
ポジティブな言葉に言い換える
「何ができない」ではなく「何ならできる」と言い換えます。視点を変えるだけで、拒絶ではなく寛大さを示す言葉になります。
ポジティブな言葉を使うだけで、人生何もかもうまくいくっていう「口ぐせ系」の本がたくさんあります。自分の態度が相手に反映されるという心理学用語の「ミラー効果」も、有名ですね。
これは断り文句だけではなく、すべての文章に反映すべきかもしれません。
・ユッケ以外のすべての商品をお持ち帰りいただけます。
・17時までのお問合せに対しては、当日中にお返事いたします。
・セール品はお一人様3個までご購入可能です。
・整理券をお持ちの方は、ここから入場いただけます。
・ベビーカーを必要としない幼児は、何歳からでもご参加いただけます。
説得力のある理由を書く
理由もわからず断られると、自分自身が否定されたように感じます。断る対象が単純にセグメントしやすい場合は、要注意。下手すれば「いわれのない差別を受けた」とお客様を怒らせてしまいかねません。「ベビーカーお断り」「男性お断り」なんかはその典型。
ポジティブな言い換えが難しくて、ちゃんと理由がある場合は、その理由を書きましょう。
下のように言われれば、「じゃあ仕方ないか」と思えますよね。
・食中毒対策のため、ユッケのお持ち帰りはお断りしております。
・営業時間が17時までのため、これ以降のお時間は即日回答できません。
・入荷数に限りがあるため、セール品はお一人様3個までとご協力ください。
・混乱を避けるため、ここは整理券をお持ちの方専用入り口としております。
・大きな段差があり、車輪の移動は困難です。ベビーカーでの参加はご遠慮ください。
断る主体や目的をずらす
本当は断りたくはないのだれど、「断らざるをえない事情がある」または、「お店ではなくお客様のために断っているんですよ」をアピールする断り方です。
・保健所の指導によってユッケのお持ち帰り提供は禁止されております。
・より多くのお客様にご提供するため、セール品はお一人様3個まででお願いします。
・警察署の指導により、この入り口は整理券をお持ちの方専用としております。
・大変混雑します。お子様の安全のため、ベビーカーでのご参加はご遠慮ください。
返事が遅れる時は期限を切る
すぐには断らずに検討の上断るというシーンがありますよね。
一旦保留にするのは一つのテクニックでもある。即答すると取り付く島もない感じですが、持ち帰ったのなら「検討だけはしてくれたのかも」と思えるからです。ただし、その際は必ず、いつ返事をするのかを明示します。
僕は、お客様の問い合わせに対して二日後に連絡したら、その方はもう内容なんてどうでもよくなっていて「そんなことより返事が遅い!こんなことなら他の店に頼んだのに時間が無駄になった!どうしてくれるの」とお叱りを受けたことがあります(この、「どうしてくれる」が一番キライ)。
何とかお客さんの要望を叶えたいなと調べていたんですが……僕が悪かった。
いつともしれない時を待つのは苦痛なもの。相手にも都合があります。放置されるのは、即答で断られるよりもムカつかれることが多いです。
もちろん、すべての断り文には謝罪を添えてくださいね。
以上、熱血野郎でした〜!