高そうに見えるデザインのショッパーは高いものだと決めつけてませんか。「オシャレだなぁ、消耗品にまで金かけてさすがだなぁ」とか。実は少ない予算でも、センスがよければ高く見せることができます。コツを押さえて憧れのショッパーを安く作ってください!
安くてもオシャレに魅せるコツ3つ!
紙袋の単価の内訳は次の通り。
・紙代
・印刷代
・紐代
・表面加工代(箔押し、PP加工など)
・折り・組立加工代
・紐の取り付け加工代
全部に力を入れると高額になるのは当たり前。
高く見えるのに安く作るコツは次の3つ。
1 削る部分は削る
2 大量生産
3 デザインを工夫して版の数を減らす
さっそく井上工業所が過去に扱った製作事例をふまえて、紹介していきましょう。
色のついた紙を使って、1色印刷でも2色のデザインができる
美容院様の紙袋事例です。単価は40円台~
これぞナチュラルビューティー!美しさを作り上げる空間である美容院様らしいオシャレさ!
白色の特色インクのみを使用した1色印刷で版の数を抑えています。
コストを抑えつつ特別感を出し、オシャレさをアップ。
用紙の茶色を生かしているので、1色印刷なのに白と茶色の2色でのデザインが可能。
白インクは、未晒クラフト紙だけでなくカラークラフト紙の上にも映えます。カラークラフト紙は15色のバリエーションがあるので、デザインの幅は広いです。
加工なしでもデザイン次第で高級感を出す
インテリア雑貨販売会社様の紙袋事例です。単価は30円台~
単価30円台には見えないですよね。
ポイントは、表面加工をしていないこと。
小さいサイズと、こだわったデザイン。
耐久性・耐水性をあげたり、印刷面を保護するには追加したい加工だけど、まぁ正直なくてもさほど困りません。(コート紙がベースの場合にだけ、表面加工は必須なので注意)
こちらは片艶晒クラフト紙を使用しています。片艶晒クラフト紙は平滑処理されている紙で、もとから淡い光沢があります。黒ベタを印刷することでそのツヤを引き出しています。ゴージャスなデザインに相性good!!
ツヤのない晒クラフト紙でも粋な感じに仕上がるので、そこはグラフィックやイメージによってお好みでドウゾ。
色の濃淡をうまく使えば、1色印刷でも華やか
飲食店様の紙袋事例です。単価は40円台~
なんだろう、この高級感!とっても華やかで凝ったデザインですが、なんと1色しか使用していません。驚き~!!
一色印刷でも0%から100%までの階調を使えば、奥深い表現が可能。
版の数が少なければそれだけコストが削減できます。
デザイナーには当たり前のことなんですが、発注側にその知識がないと制作会社任せになってしまいます。「一色印刷でコストを抑えたい、でもこういうのが欲しい」って見せて説明するといいと思います!
こちらは特色のオレンジ色を選ばれましたが、もちろん他のカラーでもOK!だからデザインの幅は無限大!他とかぶることが少ない点も魅力かな。
ちなみに特色ではなくプロセスカラー(CMYK)にすれば、インク代が安く収まるから、もっと単価が下がります。
一気に生産すれば、箔押し+印刷しても40円台
究極にお得なのは、この方法です。大量生産すれば高級な仕様の紙袋でも、びっくりするほど安くなります。上の紙袋は、印刷に箔押しもしていますが、10,000枚の生産で単価40円台です。
使っている紙は一番安価な片艶晒クラフト紙。紐は紙三本ヒモなので、ここでもコストを抑えています。他の素材を削って箔押しの豪華一点主義にしているのもポイントですね。箔押しは存在感が違います。
紙袋のデザインってちょっと特殊なんです
井上工業所ではデザインの製作はできないので、デザイナーさんへ発注してもらうことになりますが、紙袋のデザインはちょっと特殊なんです。
3色印刷するよりも4色のフルカラーの方が安くなったり、ベタ印刷をしたら色落ちが心配だから表面加工も追加しなきゃいけなかったり。
ウェブやエディトリアルのデザインしかしたことのないデザイナーさんだと、そういった紙袋特有の知識がなくて、いざ紙袋製作の見積もりに出したらアレコレ追加しなきゃいけなくてビックリ価格になっちゃった!なんてこともあります。
デザインを委託する際に、低予算で作ることや表面加工をしたくないから濃い色のベタ印刷はしない、といった具体的な支持をしておくのもポイントでしょう。