制作会社にWebサイト制作を依頼すると、「SEO的に意味があるのでサイトマップページを作った方がいいですよ」と言われることがあります。何となく、わかるようでわからない言葉ですよね。実際のところ、サイトマップを作る「だけ」では大した効果はありません。
サイトマップを独立ページで持つってこういうこと
サイトマップとは、サイト内の全ページの場所を示したもの。
井上工業所の場合は、こんな感じです。正直に言うと、ただの羅列だし、掲載順序も意味不明だし、文字サイズも変だし、使いにくくてダメです。出すんじゃなかった……。
それはともかく、Webサイト制作を依頼すると、このようにサイトマップを独立したページとして作りましょうと勧められることがあります。
サイトマップを掲載するだけなら、下のような方法もあります。フッターにまとめる手法です。これなら全ページに表示されるのでアクセス性は抜群ですよね。
それなのに、ページを持つことを勧める理由として、「その方がSEO的に有利なんですよ」という営業トークがあります。
独立ページのサイトマップはSEO的に効果があるのか?
結論から書くと、サイトマップを作ったからと言って、それだけを理由に掲載順位が上がることはまずないでしょう。影響がないとは言えないですが、大したものではありません。
サイトマップは以下の点で有効とされています。
1 ユーザビリティが向上し、ユーザーがサイト内を巡回しやすくなる
2 検索エンジンがそのサイト内のページを認識しやすくなる
昔は、2の効果が営業トークに使われていたのですが、最近の傾向としては2よりも1の効果の方を見込んでサイトマップを作るケースが多いです。
確かに、情報が網羅されていることや、情報量が多いことは、検索エンジンのサイト評価につながります。しかし、それはユーザーが実際にそのサイトを利用するかどうかとは関係のない評価と言えます。
今は、ユーザーがサイトに何度もアクセスしたり、ひとつのページに長く滞在したり、サイト内でさらに有益な情報を求めて巡回したりすることの方が、「よいサイトであることの証拠」としてずっと重視されるようになっています。
テストで100点取れる秀才君が、必ずしも仕事ができたりモテたりするわけではありません。Webサイトも同じかもしれません。Googleの基本的な評価で合格点を取ったとしても、サイト自体に魅力がなければお客さんは集まらないです。
まずはサイトによい情報を集めること、よいユーザビリティを徹底することをしないと、サイトマップの効果は薄い。そういう意味で、「それだけを理由に掲載順位が上がることはまずない」と書きました。
ユーザビリティを考え、ページ数に応じてページを持つべき
Webサイトの見積もりは、機能やライティングの有無などに影響を受けますが、ページ数でも変わります。不要なページなら、ない方が制作費は安くなります。
サイトマップページを持つかどうかは、ユーザビリティの向上に貢献するかどうかを考えるとよいと思います。
今後大量にコンテンツが増えていく計画なら、サイトマップページを持つことはユーザビリティの向上に貢献します。
動線を作る部分なので、サイトマップのデザインもこだわって作った方が絶対にいい。
もし、Webサイトに「1トップページ 2会社概要 3商品の紹介 4問い合わせフォーム」の4ページしかないのなら、サイトマップは不要でしょう。メニュー部分でこと足ります。
それなのに、「SEO的に効果があるのでページを作りましょう」という営業を受けたら、本当にそうですか?と制作会社に聞いてみるといいかもしれません。
意外と、知識なく言っていたり、古い知識で言っていたりするかもしれないので……。
なお、サイトマップには、上に挙げたようにユーザーが目にすることができるサイトマップとは別の、検索エンジン向けの「XML形式のサイトマップ」があります。
XML形式のサイトマップはGoogleのクローラーに認識させるための、サイトの基礎情報です。これは作るだけではダメで、Googleサーチコンソールに登録して送信する必要があります。
サイトのオーダー側が詳しく知っておく必要はないですが、もし心配なら制作会社に「サーチコンソールの登録やXMLサイトマップの送信もやってくれますよね?」と聞いてみてもいいでしょう。