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その広告、薬機法違反かも。化粧品広告でやりがちな表現6つ

化粧品を販売している会社さんは、みんな薬機法を守らなければいけません。広告表現にはこまかい規制があるので、ちゃんとルールを守って販促しましょう。違法広告が出回りすぎているので、よくありがちなNG表現を6つ紹介します。

化粧品広告で、やりがちだけどやってはいけない表現6つ

化粧品の広告は薬機法で規制されています。薬機法66条では、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならないとあります。
内容は、厚生労働省から発表されている「医薬品等適正広告基準」に示されています。また、具体的にやってはいけないことは、日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」にわかりやすくまとめられています。
ここでは、「化粧品等の適正広告ガイドライン2017」より、やりがちな6つの表現をピックアップします。

1 ビフォーアフター(使用前、使用後)の写真表示

使用前、使用後の写真で効果効能や安全性を謳うのはNG。例外は二つだけ。
ひとつは、使用方法を説明するための表現。
ひとつは、「化粧崩れを防ぐ、小じわを目立たなくさせる、みずみずしい肌に見せる、傷んだ髪をコートする」などの物理的メーキャップ効果または、「清涼感」「爽快感」などの使用感の表現。

2 お客様の体験談、感謝状、お喜びの声

客が効果や安全を語る体験談は、効果や安全の裏付けがあるように誤解を与えやすいということで、すべて禁止されています。「※個人の感想です」と注を入れてもダメです。
科学の世界では、たとえ100万人の人が「効果を実感」したとしても、「効果が実証された」ことにはならないからです。
掲載してもよい体験談は、使用感や香りのイメージについての感想だけです。

×「肌にハリが出てきた。これまでの化粧水の中で過去最高の品質だと思う」
×「使い始めて半年くらいの頃、同級生にばったり。肌が若返ってると驚かれました」
×「長年悩んでいたシミが薄くなったみたい。メイクの時間が楽しくなりました」
○「使い心地が軽い化粧水なので、毎日バシャバシャ使うのにぴったりです」
○「カモミールと柑橘系の自然な香りにうっとり。バスタイムに癒されています♪」

これは2018年に追加された項目なので、大手化粧品メーカーは泡を食って、広告から体験談を一斉に削除しました。しかし、現在は「薬機法で謳うことができる効果効能※に限っては過度な表現を避け、また体験談が事実であれば出してもよいのではないか?」と体験談を復活させるメーカーがちらほら出ています。
たとえば、ドモホルンリンクルは表現にめちゃくちゃ気を遣いながら、インタビューを載せています。ただし、法的にはグレーといったところです。

3 ヘアケアにおける、髪が蘇る系の表現すべて

よく「傷んだ毛先を補修する」という表現がありますが、なぜどのメーカーも「補修」と言っているかというと、それが超ギリギリな表現だからです。
毛髪は角化している組織(わかりやすく言うと、成長しない死んだ細胞)なので、美しく蘇ることはありません(え?そうなの?って言ってる人、騙されてますよ……)。

×「傷んだ毛先を修復する」「健康な髪が蘇る」「ダメージヘアを回復させる」
○「髪を清潔に保つ」「毛先にうるおいを与える」「髪にツヤを与え、櫛通りをよくする」

※薬機法で謳うことができる効果効能は56個あります。
別の記事にまとめました。
化粧品が広告で謳っていい機能は、この56個だけ

4 赤ちゃんも安心、敏感肌にも安心、低刺激

具体的には、「効果効能や安全が確実に保証されているかのような表現」が制限されています。「低刺激」は程度を表す言葉なので言い切ってはいません。それならいいのではと思うかもしれませんが、それが客観的に証明できないのなら使えません。もちろん、確実に謳えることは書いていいんですよ?ダメなのは表現として曖昧に香らせるようなもののことです。

×「赤ちゃんにも安心。肌当たりがやわらかくなる入浴剤」
×「敏感肌の人の95%が、安心して使えると答えました」
×「ボタニカルエキスの自然なテクスチャー。低刺激で安心です」

5 最高、ベスト、無類、NO.1

単に修飾語として使ってしまいそうですが、言葉にはちゃんと意味がありますので。最高、ベスト、無類は、つまり「一番、唯一」って意味です。そうじゃないなら誇張でしょってことです。化粧品のような効果が曖昧な商品の場合、広告は立証された効果を謳いにくい(謳えない)ので、修飾語のオンパレードになりがちです。
しかし、ちゃんと言葉を読めば、使っていいかどうかはわかりますね。
もし、これらの言葉を使いたいなら、ちゃんとソースも示しましょう。

×「最高のうるおいが得られるのは、このスクワランだけ」
×「パリのモデルの間で話題沸騰!うるおいNO.1のマスクが日本上陸!」
○「口コミ数NO.1※ パパイン酵素で、油分を守って肌を洗う」 ※@コスメパウダー洗顔部門
○「指先から香る。輸入ハンドクリーム売上NO.1※」※2019年○○社リサーチ

6 スッキリ、ほっそり、キリリ……痩せる系の表現

化粧品にできるのは、肌を清潔に保ち、健やかにして美しさを保つこと。あるいは、物理的メーキャップ効果だけです。顔かたちが変わるような化粧品は、化粧品として販売することはできないと薬機法で決まっています。
直接的に「顔が痩せる」と書いていなくても、「スッキリ」「ほっそり」などの表現もNGとされています。よく見ますけどね……。

×「二重顎がスッキリ!信じられない小顔効果」
×「たるんだほうれい線よさようなら!キリッと持ち上がった頬で5歳若返り」

もっと見たい方は、「化粧品等の適正広告ガイドライン2017」をどうぞ。

違反すると懲役か罰金か、あるいはその両方

薬機法の化粧品広告規制に違反すると、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金に処され、またこれを併科、つまり両方食らうことになります。
ほとんどは懲役はなく、罰金刑で終わるようです。いきなり投獄とか罰金なんてこともまずないそうで、まずは行政指導となります(悪質な場合はわかりませんが)。

これ、罪が軽すぎるんじゃないかと僕は思います。
と思っていたら、これからちょっと法律が変わるかもしれないというニュースがありました。
続きは別の記事で……。

化粧品の広告関連の記事がもう一つあります。こちらもどうぞ!
化粧品が広告で謳ってもいい「効果効能」はめちゃくちゃ少ない!56個の効果をまとめます

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