ベジタリアン・ビーガン・ハラル……ベジタリアンは約150万人、ムスリムは約200万人が日本を訪れる今、「食インフラの整備」は無視できない課題です。ここでは、特にベジタリアン・ビーガンのマーク取得について説明します。
飲食業界は無視できない、「べジインフラの整備」
多様性という言葉がもてはやされて、あちらこちらで聞くようになったこの頃。
国・人種・性別・セクシャリティ、世間は様々なことに寛容になったと思います。
では、「べジインフラの整備」という言葉を聞いたことがありますか?
それは、肉を食べない「ベジタリアン」、卵や牛乳も避ける「ビーガン(完全菜食主義者)」、が安心して生活できるよう食の環境を整えること。
日本人はほとんどの人が雑食(?)なので、 「肉が食べないなんて人生損している」「嫌なら食うな」「郷に入っては郷に従え」的な考えの人も多いですが、そういう次元の話ではありません。食に対する考え方は、人種・国籍・宗教と同じように、尊重すべきものです。
国際的に見れば、ベジタリアンは黙殺できないだけの人数がいますし、増加しています。
世界のベジタリアン人口について公式なデータはないのですが、たとえばインドでは約30%、イギリスでは14%の人がベジタリアンと言われています。
「世界人口76億人のうち、ベジタリアンやムスリムなど、食のルールを持つ人は34億人」「訪日外国人のうち、ベジタリアンは約150万人」という見積もあります。
思ったよりも、多いでしょ?
外国人旅行者が急増している今、飲食店経営者の方には無視できない問題です。
というか、無視したら損ですよね。
ベジタリアンレストランは、日本においてブルーオーシャン
日本で、ベジタリアンやビーガンの方が、安心して食事をとることは、非常にハードルが高いです。2019年11月11日の日経新聞に、こんな記事が出ていました。
「コンビニで塩おにぎりを買っている」「日本食が楽しみだったけど、出汁(だし)が魚なので食べられず残念」。来日後、そう困惑し、不便を感じている外国人は少なくない。米国や英国などでは街に「ベジタリアン・ビーガン対応」と掲げた店が普通にある。一般のレストランでもベジ対応の料理を用意しメニューにもその旨をマークで明記。ベジ派もそうでない人も皆で同じ食卓を囲む。
出展: 完全菜食ビーガンの可能性 34億人市場の入り口に(日本経済新聞)
日本に来ても、食べるものがほぼないという状態。
これは……単純にかわいそう。
もしも、あなたのお店で「動物性の食材&調味料を一切使わないビーガン向けメニュー」を作ることができるなら、ぜひ「ベジタリアン対応レストラン」を打ち出しましょう。
需要があって競合が少ないのだから、日本では完全にブルーオーシャンの領域です。勝算大いにあり。
共通マークで信頼度UP!独自の表記でもOK
さて、「ベジタリアン/ビーガンを対象とした公的な共通マーク」ですが、国際的な共通マークはありません。
日本ではNPO団体が、ベジインフラ整備のため承認マーク発行の活動をしています。
申請して承認を得れば、データを使用することができます。
●NPO法人ベジプロジェクトジャパン
承認のための条件はこちら
この団体のマークは、はっきり言ってまだ一般化されているとは言えません。いずれは浸透するのかもしれませんが……。
現状で言うと、独自の表記マークを使っているお店の方が多いのではないでしょうか。
独自のマークを使ったからと言って罰則もありませんし、お店のブランドに合わせたデザインを作っても問題はありません。
ベジタリアン、ビーガン向けのデザイン素材が手に入るサイトをまとめました。
こちらの記事もぜひどうぞ。
以上、熱血野郎でした~