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ポーチ、トートバッグなど豪華すぎる雑誌付録のからくりってどうなってるの?

僕も奥さんも「付録付き雑誌」が大好きです。まんまと雑誌広告のからくりにハマっている感じですが、どうせ雑誌を買うなら好きなブランドの付録が付いてたほうがお得だよなーって思います。ここでは雑誌付録のからくりや、僕らが実際に購入した付録付き雑誌を紹介しちゃいます。


どっちが付録!?雑誌の付録がすごいのはなぜか?

最近の女性雑誌、男性雑誌の付録ってすごくありませんか?コンビニや本屋でたまに手にとってみるんですけど付録のクオリティの高さに「雑誌と付録、いったいどっちがメインなんだ?」って思うくらいですよ。しかもクオリティ高いし。

最近の雑誌付録は、こんなことになっちゃってます。

妻が買った宝島の『Sweet』2019年9月号。MERCURYDUOというブランドのチェンバッグとマルチケースが2個セットでついてます。価格は1,080円。


これも妻が。宝島社の『大人のおしゃれ手帖』2019年9月号。PLAIN PEOPLEというブランドのトートバッグ付き。幅43センチもある大きなバッグです。価格は1,080円。


これは僕が買った雑誌です。これも宝島社だった。『MonoMaster』2019年9月号。VANのショルダーバッグ付き。ちょっとした外出時にちょうどいいサイズで、かなり気に入ってます。価格は1,080円。

今は子供向け雑誌にも付録が必ずというほど付いてます。娘が大好きな子供向け雑誌には「子ども用コスメセット」が付いててビックリ。

絶対採算合わないでしょ!
というのは素人考えなんでしょう。
大きなお世話ですが、こんなにいい付録が付いてて出版社は大丈夫なのかなーと心配になったんで、雑誌の付録のからくりについて調べてみました。

広告主から入るお金は、多ければ数千万円から1億円らしい

雑誌の付録は、雑誌の広告主の宣伝が目的です。
人気の女性雑誌や男性雑誌に掲載される広告費用は億単位になるそうです。
メーカーさんってカネ持ってるんですね……。

「付録を付けると雑誌がよく売れて利益が出る」という構造ではなく、クライアントから出版社に入る付録の収益は、直接雑誌の制作費に回されます。
雑誌は必ず返品が出る商品なので、自転車操業は極めて危険。できるだけ手堅いお金の出所から制作費を絞り出さないといけません(印刷費が高額なので自転車操業が難しく、潰れる時はあっという間)。
そのため、まとめて入る大きいお金を求めて雑誌は大付録時代に突入しているのです。

付録でもつけないと雑誌が売れない!悲惨な背景

最初の写真を見て、豪華付録を付けるなんて出版社は豪気だなあと思った方は純粋すぎます。
付録現象はその逆を意味します。
本の売上げだけではもう制作費が出ないということ。出版社はどこも危機に瀕しているということです。

出版不況はかなり前から言われており、新聞も右肩下がり。これはもう、歯止めがかからない状態です。わかっているのに打つ手なし。
僕が子どもの頃はちょうど『少年ジャンプ』の全盛期にあたるんですが、当時653万部発行されていたのに、今は200万部割ってますからね……。時代を感じます。

比較的広告のつきやすい女性誌でも、多くがレームダック状態です。『Ane Can』『ピチレモン』『CUTiE』『BLENDA』『JILLE』『GLAMOROUS』『marie claire』『Cawaii!』『STYLE』『流行通信』『ef』『Olive』『すてきな奥さん』が、とっくに廃刊(または休刊)してるって知ってましたか?

とにかく紙が売れない時代なので、豪華付録でも付けないとやってけないのですね。
広告主は付録で自社ブランドをアピールできるというメリットがあるので、今のところギリギリでWin-Winという感じでしょうか。ただし、広告主もバカじゃないので、読者がもっと減ったら現在の関係も成立しなくなるような気がします。


雑誌の付録合戦から学べるのは、人は「単純なアピール」に弱いってこと

テレビショッピングで、「このタンスを1つ買うと、なんと同じ値段でもう一つ付いてくる!!」っていうのよくありますよね。
いやいや、二つもタンスいらんし!普通に半額で売ってくれよ!って僕は突っ込んじゃうのですが、そう考えるのは少数派なのだそうです。

「半額にする」と「同じ値段で2個売る」を比較してどっちがより売れるかを検証した調査で、売れたのは後者なのだとか。
普通に考えると、「本当はほしいのに、2個もあったら困る客」を逃すリスクがあると思うのですが、売上げを見ても全然そんなことがない。
不要なのに2個手にした人の多くが「どうせタダで手に入れたものだから、親戚やお友達にでもあげようかしら?喜ばれるかもしれないわ」と考えるそうです。

この調査のソースは忘れてしまいました……スミマセン。
東洋経済がこれに似たことを書いていますので、興味がある方は読んでみてください。面白いです。
→「客が半額より「2個買えば1個無料」を好む理由

もちろん売り手は2個売っても利益が出るに決まってます。つまり最初から1個の価値が半額であろうことは、誰にでもわかります。それなのに、人の心理とはかくも単純なものなのです。
人は複雑なこと、数字や計算を嫌うので「半額、割引」への反応は遅い。
対して「タダ、もらえる、もう1個」はわかりやすく、反応がクイック。

付録合戦が一定の効果を出しているのは、これと同じでしょう。付録すごい。
これ、あらゆる業種で応用できそうな話だなあと思います。

以上、熱血野郎でした~。

→このページを読んだ人が見ている記事「最強の販促ツール知ってる?」