印刷物を作る時には、必ず紙の厚さを指定しなければなりません。紙の厚さは斤量という単位で表現されます。しかし、120g/㎡とか150g/㎡とか言われてもなかなかイメージが付かないでしょう。そこで、目安となるように身近な紙を例にだいたいの厚さを紹介します。
紙は用途別に適した厚さがある。肉料理も同じでしょ?
突然ですが、肉料理は好きですか?ステーキや生姜焼き、しゃぶしゃぶなど種類が豊富で、どれも美味しいですよね。その美味しさの秘訣は、料理に合わせた肉の厚さにあります。
印刷物も同じように、チラシやパンフレット、名刺などには適した厚さがあるんです。コストを下げようと薄い紙で名刺を作ると使い物にならないし、やたら厚い紙で作成された激安スーパーのチラシは悪目立ちしてしまいます。
お肉も紙も、用途に合わせて厚さを使い分けることが大切なんです。
身近な紙の厚さを見てみよう!新聞紙から名刺まで
紙の厚さは斤量(あるいは、連量や坪量)で表されることが多いですが、数字をいわれてもピンときませんよね。身近にある紙の厚さだいたい表記しますので、印刷発注する時の参考にしてみて下さい。
40g/㎡~90g/㎡
・40g/㎡~:新聞紙に多く使われる薄さです。ペラペラの紙なので、猫が上を歩くとシワが寄ります。
・50g/㎡~:新聞に折り込まれたスーパーのチラシに多い薄さです。
・60g/㎡~:裏写りや透けにくいので、コピー用紙に多く使われています。
・70g/㎡~:通販カタログの中ページや厚めのチラシで使われています。厚さが出てくると両面印刷しても見やすくなるからでしょう。
・90g/㎡~:マンションや自動車、ジュエリーなど高額商材を扱うチラシで使われます。週刊誌の巻頭写真ページで使われることもありますね。
110g/㎡~180g/㎡
・110g/㎡~:観光地のパンフレットや電車内の吊り広告などに使われます。折りたたんでも、くしゃくしゃになりません。
・120g/㎡~:紙袋に多く使われている厚さです。
・135g/㎡~:ポスターや高級ブランドショップの紙袋などに使われます。
・180g/㎡~:ポストカードや名刺に多く使われます。柔軟性がないので折って作る物には向きません。
同じ用途でも、商材の高級感に合わせて厚さを変えるのも大事
紙の厚さは、その手触りからも情報を伝えることができます。
激安スーパーのチラシの薄さからは、安さ、親しみやすさ、お得感が伝わります。
高級マンション、注文住宅のカタログ、自動車のカタログがペラペラだとワクワク感が削がれるし、何だか怪しげな感じさえしますよね。高級商材はツールもしっかりした高級なものだからこそ、信頼感が生み出せます。
例えば、紙袋の紙の厚さは標準が120g/㎡です。単純に強度を満たそうと思えばどんな商材でも120g/㎡あればまず大丈夫ですが、ブランドイメージによっては厚さを調整します。
ヴィトンやシャネル、ディオールなどの人気ブランドの紙袋は、しっかりした硬くハリのある雰囲気にするために157g/㎡以上のちょっと厚めの紙が使われています。
ユニクロやビックカメラなどの安さをウリにしているブランドの場合は、100g/㎡に落とした紙の方がイメージに合います。
大抵の印刷屋さんは紙のサンプルを無料で送ってくれるので、だいたいの想像が付いたらサンプル請求をしましょう。