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本当にするべき?色校正が必要な場合&必要ない場合

色校正は、印刷の色を狙った通りに仕上げるための重要な工程です。しかし、印刷費が2万円なのに、色校正費が1万円とか言われたりします。「……じゃあなしで^^」ってなりますよね。色校正しないと色はどれくらいブレる可能性があるんでしょうか。色校正が必要な場合と必要ない場合について解説します。

色校正とは?

色校正とは、印刷物の色味をチェックする作業のこと。なぜ色校正をするかと言うと、パソコンの画面で見ている色は光の三原色で表現されているので、色の四原色で表現される印刷物とは違ってくるのが当たり前だからです。
そもそも、PCのモニターは人によって色が違います。違う機種のモニター二台でデュアルモニターにすると、その隣り合う二台ですら、同じ色に調整するのは難しいです。
この色で刷ってください!と色番号を指定したとしても、けっこう色はブレます。厳密な話をすれば、同じ印刷所で同じデータを刷っても気温や湿度で色が変わると言われているくらいです。前提として、「ある程度の色のブレは起こりうるものだ」ということは知っておきましょう。
赤と言っても百通り以上の赤があります。その認識のズレをなくすための作業が、色校正です。

今は紙袋印刷の営業をやっていますが、僕も昔は発注する側でした。
色指定したのに全然違う色になった経験、ありますよ!
A印刷会社にメニューを頼んだらエメラルドグリーンが青緑になりました。
なので二回目はB印刷会社にお願いしたのですが、同じデータを使ってこうも違うかと驚くほど、色が違うんです。ちなみにB印刷会社A印刷会社より少し高かったけど、思った通りの色でした。
大事な販促物の場合は、できれば色校正はとっておきたいところです。

色校正はいくらかかる?

色校正は印刷費とは別にお金がかかります。印刷費と込みになっていることはほとんどありません。刷り部数によっては、本番の印刷費と色校正費が同じかよ!!という見積もりにビビることがあります。
具体的にかかる費用はこんな感じ。適当にネット印刷会社の料金表から拾ってきました。

【C社】
チラシ・ポスター
A1 片面:9,800円(簡易校正)、18,900円(本機校正)
A1両面:9,800円(簡易校正)、37,800円(本機校正)
中綴じ冊子・無線綴じ冊子
A4・B5サイズ(8P):22,300円(本機校正)
Tシャツ:6,480円

ちなみに、簡易校正というのはだいたい本番っぽい雰囲気になる廉価版の色校正です(これでも多少ブレます)。本機校正というのは、本番と同じ紙、同じインクを使う本物の色校正のこと(一番ブレがない)。
もちろん会社によって色校正の料金は異なりますが、それなりにお金がかかるということは分かりますね。

色校正をとらなくてもいい場合

仕上がりにこだわるなら色校正はとった方がいいですが、背に腹は代えられぬ。できるならナシで……という場合にこれを参考にしてください。

特色を色番号指定でベタ印刷する場合

特色とは、あらかじめ混合されたインクのこと。特色指定のベタ印刷ならブレにくいです。DICカラーやPANTONEカラーといった色の国際的な規格番号をオーダー時に指定します。色番号指定は最も確かな方法です(そもそも、世界中どの印刷所で刷っても同じ結果になるように作られた規格なので)。この条件なのに大幅に色がブレた場合は指定した意味がないので、最悪、印刷会社に文句を言えます(笑)。

プロセスカラーをベタで印刷する場合

プロセスカラーとは、基本となるCMYKの4色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒)のインクのこと。プロセスカラーも、国際的にどんな色なのか規格があります。
網点印刷による色の掛け合わせをする場合はブレる可能性がありますが、ベタならブレないのが本当です。もちろん、万が一ブレた場合にはどんどん文句を言ってください(笑)。K一色の印刷でブレるというのは考えられないので、一番安全なのはモノクロ印刷ですね。

色にこだわらない場合

まんまですね(笑)。コスト重視で多少は目を潰れる場合です。これは経営者の心意気ではなく、何を作るかという話。
お店のロゴだけで勝負するデザインで(名刺や看板など)ロゴの色がブレてたらブランドに関わる問題です。でも、「半年に一回使う特売チラシ」とか「割引チケット」程度なら多少のブレは問題にならないはずです。また、写真の色がブレると現実という比較対象があるので違和感が強いですが、図版の色はブレても目立ちません。
このように、物によってはイメージ通りの色に印刷することがさほど重要ではない場合もあります。

色校正をとったほうがいい場合

色校正をケチったおかげで、もっと大きな損害が出ることがあります。大失敗につながらないよう、以下のケースに当てはまる場合は、色校正を検討してみてください!

ロットが大きく失敗できない場合

1万枚の紙袋を刷った後に色が違っても、後の祭りです。
「色が違うので、1万枚刷り直してください!」と言われても、印刷会社は困ってしまいます。作った物は全部ゴミになるわ、クレーム対応だから最短納期を目指さなきゃいけないわで、まあ悲惨です。軽く地獄です。対応できるクレームとそうでないクレームがあります。
量産の場合は絶対に色校正を取りましょう。それは、発注者の責任でもあるからです。
色校正を取っていない=「多少のことには目をつむります」と同義です
(たぶん発注書の一部や印刷会社の資料にそう書いてあるはずです)。逆に、色校正を取っていたのに色が違う場合は、何万枚刷っていようが正々堂々とクレームが言えます。

印刷する対象に凹凸がある場合

段ボールのようなデコボコした紙、タオルやジャガード織りのような布など、凸凹があるものに印刷する場合もあると思います。このような場合はデータで見ていたデザインがそのまま反映されないことが多いです。細かい文字などを入れていて、かすれて読めなければ用をなしません。色校正をして再現度を確認しましょう。

写真を綺麗に表現したい場合

特に色のブレが目立つのが写真です。とりわけ食べ物や人物が写っている写真の場合は、本物の色を見慣れているため、ブレがあると違和感がかなりあります。
写真の色が傾く(特定の色に寄ってしまう)ことは、わりとよくあることなんです。美人モデルの写真がシアンが強く出過ぎ(青かぶりと言います)て死人みたい……とか、フレッシュフルーツを使った写真が黄色っぽく(黄かぶりと言います)て、なんだか腐ってるみたい……ということが起こります。
写真をリアルに表現したい場合も、色校正はとった方が無難です。

「とりあえずナシで」じゃなく、色校正を検討しよう!

「いつもナシで大丈夫だから次もナシでいいでしょ」とは考えず、制作物や量や目的によって、色校正の有無を検討してください。井上工業所では、1万枚近いような大ロットの場合は、必ず色校正をお願いしています。それが、双方のためでもあると思うんですよね!

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