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クレーマー撃退のための一冊:「困った」「苦しい」「怖い」の「K言葉」で撃退できる!?

こちらに明確な非があり、真っ当に権利を主張してくるのであればまだ落としどころも見つけやすいのですが、そうではない、傍若無人な「悪質クレーマー」対策は接客業には必須スキル。そのヒントとなる一冊の本が今、爆発的に売れているそうです。

悪質クレーマーに服従しないための一冊

お客様からのご指摘というのは、お店や会社をよりよくするために重要視すべきものでありますが、それと引き換えに過剰な保証やサービス、謝罪などを求める悪質クレーマーの存在も隣り合わせです。

時には声を荒げたり暴力行為を匂わせるなど、威圧的な態度でこちらを服従させようとしてきますが、このレベルまでの悪質クレーマーに相対してしまった場合は、早々にギブアップしてしまいましょう

しかし、この「ギブアップ」が意味するのは、相手の要求を受け入れることではありません。と、このような目から鱗なクレーム対応術を紹介しているのがこの本。

対面・電話・メールまで クレーム対応「完全撃退」マニュアル
(援川聡著。ダイヤモンド社2018年9月)

話が通じない相手は諦めろ?「ギブアップトーク」に使える「K言葉」

この本が紹介する「ギブアップトーク」とは、クレーマーの意見をすべて受け入れ服従することではなく、「説得をすること、まともに取り合うことを諦める」ということです。

それにより、クレーマーに対して言外に「自分には今回の問題を解決させる権限・能力がない」ということを伝え、さらに「強い者が立場の弱い者を攻撃している」という構図を作り出し、警察など公的機関への相談を匂わせることができます。

この本では、そのようなギブアップトークに特に有効なワードを”K言葉”と名付けて解説しています。すごい!面白そうですよね。

クレーマーの思いどおりにさせない「困りましたね」

この本でK言葉として挙げられている言葉は「困りましたね」「苦しいです」「怖いです」といった自分の感情・状況を表すフレーズです。

クレーム対応と言うと、問題解決のために社会常識に則って、理路整然とクレーマーに応答しなければならないと考えがちですが、そもそも悪質なハードクレーマーとは、一般常識から外れた自分の権利を拡大して振りかざしているだけなので、落としどころを探そうとするだけ無駄だと言えます。

例えば、SNSへの悪評の流布を脅し文句に使われた場合は、
「困りましたね……、でも、お客様の行動にとやかくいう立場ではありませんので……」
と続けるそうです。すると、相手の持っている武器に効力がないことを思い知らせることができ、クレーマーは肩透かしを食らいます。

「苦しいです」「怖いです」で、婉曲的に状況を整理する

さらに、相手から回答をせっつかれている場合には
「そのように追い詰められますと、こちらとしても苦しいです」
と感情のみを返答。

また、声を荒げたり物を叩くなど恫喝的な様子が見られる場合は、
「お客様が怖いのでまともに対応することができません」
と、現在のパワーバランスが不当に偏っていることをアピールする。

K言葉のもうひとつの特徴としては、警察への相談や弁護士からの対応など、公的機関や第三者の介入の流れを作りやすいという点です。常識を逸脱した金銭やサービスの要求、担当者の解雇や経営者からの謝罪など越権的な要求をするハードクレーマーは、後先のことを考えずに要求を突きつけている場合がほとんどです。

そのため、K言葉で「自分がやりすぎている」ということを自覚させながら、公的機関の介入の可能性をちらつかせることは、ヒートアップしたクレーマーを「後戻りができないところまで行ってしまいそうだ」と、落ち着かせることに大変有効なのだそうです。

クレームによる企業被害は深刻。一読の価値あり

その他にもこんな言葉が紹介されています。
クレーマーの感情をより逆撫でしてしまう「D言葉」。

これは、「ですから」「だって」「でも」なのだとか。意識していないと、言ってしまいがちです。このD言葉と置き換えることが勧められているのが、「S言葉」。
「失礼いたしました」「承知いたしました」「すみません」に置き換えると相手を刺激することなくこちらの言い分を伝えることができる。
当たり前なようで、けっこう実行できないことかなと思います。

僕はカフェと居酒屋で店長をやっていた経験があるのですが、これはもっと早く知りたかった!!糠に釘、のれんに腕押し状態に持って行くのはかなり有効だと思います。

発売後すぐに重版がかかるほどベストセラーとなったこの本。それだけクレーム対応に悩まされている経営者が多いという世情の表れでもあります。もしあなたが同じ悩みをお持ちであるならば、一度お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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