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スタバはCMより効果的な武器で日本を席巻

日本にシアトルコーヒーやカフェ文化を根付かせたスタバは、「テレビCMを打たずにブランド力だけで成功した」と言われています。ブランディングと口コミだけで、広告費をかけることなく成功したスタバのブランド戦略は、他のショップや企業にとっても学ぶところが多いでしょう。

スタバはテレビCMより効果的な武器を持っている

スタバのビジネス戦略を本にしたのが、アメリカの企業コンサルタントをしているジョン・ムーア氏(映画監督のマイケルさんとは別人です)。著書『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』は、発売直後から人気を博し、日本でもビジネス書として多くの人に読まれています。

「テレビCMもしないのに」と書かれていますし、あちこちで「スタバはテレビを使ってない説」が囁かれていますが、実はアメリカでも日本でも、スタバはCMを放送しています。

しかし、それはほんの短い間だけ。スタバはテレビCMを打たずに成功したというよりは、テレビCMに早々に見切りを付けて成功したカフェだったんです。

広告費をかけても成果が上がらないときは、ブランディングを見直す必要があるとスタバは教えてくれました

時は来た!ブランディングを見直すタイミング

1996年8月、東京銀座で日本1号店をオープンしたスターバックス。競争の激しい飲食サービス業界のなかで、20年以上も高いブランドを保ち続けています。しかし、最初から今のスタバが確立されていたわけではありません。

当初は物珍しさから客足は順調に伸びましたが、店舗が増えてくるにつれ町のコーヒーショップという位置付けに。1998年にはフラペチーノをブランド化しようとテレビCMを打ちましたが、効果は薄いままでした。

ここでブランディングを見直し、新たなビジネス戦略へと切り替えたのです。

スターバックスのミッション「人とのつながり」

「人々の心を豊かで活力あるものにするために— ひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」

というのがスタバのミッション。簡単にいうと、人との関りを大切にするということです。ここから導かれたのが、お客様への奉仕の心。いついかなるときも美味しいコーヒーを出し、居心地よい環境を提供し、いつも笑顔で出迎えることをスタッフに浸透させました

このミッションが、後々すさまじい広告へと繋がっていくのです。「こんなのうちだってやっているよ」という企業もあるかもしれませんので、もう少し細かく見てましょう。

不満から生まれたWi-Fi設置

ミッションがスタッフに浸透すると、お客様とスタッフの交流が始まりました。そのなかで聞こえたのは、不満の声。そのクレームを素直に取り入れ、改革を行ったのです。

「アメリカの店舗にはWi-Fiがあるのに日本にはないの?」という声に耳を傾け、Wi-Fiを導入して席にコンセントを設置。

さらに、ソファーやインテリアをシンプルモダンなデザインにし、少し暗めの照明にすることによって、ゆっくりくつろげるカフェという位置付けになりました。

スタバに行くと、ノートPCを見ながらコーヒーを楽しむお客さんを見かけますよね。Wi-Fiが必要な客層にミーティングや待ち合わせに使われるようになりアイドルタイム(ピークタイムの対義語。つまり客足が減る時間帯のこと)も減ったようです。

マーケティングからやり直したブランド戦略

お客様とスタッフの交流は、商品のマーケティングにも役立っています。それは、新商品のテイスティングサービス。テレビCMでは伝えられない味や食感、香りや温度など、さまざまなことを体験できるサービスです。

お客様は試食係となり、その反応をスタッフはマーケティングして、商品開発に役立てています。人との交流によって、新商品を押していくかの判断材料を手に入れました。あの商品はあなたがジャッジを下した商品かもしれませんよ。

スターバックスはSNSを味方につけた

いろいろなサービスを見直し、定着顧客を増やしてきたスターバックス。次は新規顧客開拓を目指し、Facebookへ参入。twitterの活用を始めました。

それを見た人はリツーイトや拡散を繰り返し、行ってみたい・飲んでみたいという気持ちになったんですね。

顧客の「美味しいコーヒーを共有したい」という気持ちも、SNSでは早く広く広がります。Twitter上では、「スタバでまったりタイム」のコメント。Instagramでは、白いカップを手に「美味しい」とコメントする女性の投稿などが大量発生。SNSでの口コミはテレビCM以上の宣伝効果を生み出しました

スタバは日本を席巻した飲食業界の黒船といえるでしょう。そこには、人とのつながりから生まれたブランディングの見直しが役立ちました。巨大な広告費を使わない口コミが大当たりしたのは、人とのつながりを大切にしたからといえます。

お客様を大事にする、お客様の声を聞く。当たり前のことなのですがもしかしたらあなたのお店にもまだまだ改善点はあるのかもしれません!

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