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強烈なウリがなくても大丈夫!ブランドコンセプトの作り方

ブランドコンセプトは、ブランディングのためにブランドイメージを言語化したものです。ブランドイメージは、人によって様々な印象を持っていて一人の人の中にも様々なイメージがあります。ブラディングをする側は、イメージの提供にブレがないようにブランドコンセプトを明確にする必要があります。その作り方を解説します。

ブランドコンセプトは、事実とは違っていてもいい

「うちはいわゆる普通の街のケーキ屋さんで、特にこれと言ってウリがない。ブランドコンセプトなんてないよ……」という方もいるかもしれません。そのままで全然問題ありません。

ブランドコンセプトは、ブランディングのためのブランドイメージの言語化なので、いわば身内向けのもの。それ自体をお客さんにデカデカと見せるものではないからです。

不思議の国のアリスを思わせるようなメルヘンなケーキ屋さんをやりたい!とか、フルーツが豪華すぎるインスタ映えケーキを作って、記念日御用達のケーキ店として有名になりたい!とか決めるのは店主の勝手です。

そこに向かって努力していけばいいわけで、今そのようになってるかどうかはどうでもいいんです。
言語化することでぶれなく進んでいくための、標語みたいなものと思ってもいいかもしれません。
上に挙げたような鼻息荒めのブランドコンセプトでなくても、「この街に住む子どもたちの誕生日を毎年見守る、いつも身近なケーキ店でありたい」とかでもいいのです。

ブランドコンセプトの作り方1 誰に対するブランドなのか

これは、ターゲットです。ブランドコンセプトは、ペルソナマーケティングとは違っていて、それほど具体的なユーザー像を設定する必要はありません。

・この街に住む高齢者に
・世界中の花粉症に悩む人、副作用の眠気に苦しむ人に
・転職すべきか迷っている30代に
・リバウンドが怖い40代女性に
・30代の大人の女性に

こんな感じでだいたいのセグメントができていればOKです。
もっと細部まで設定するペルソナについては、こちらのページをご覧ください。

ペルソナとターゲットの違いは?細かく設定する意味

ペルソナ設定は具体的な施策を練っていくために必要なもので、マーケティングの手法の一つとして使われます。ブランドコンセプトはその前段階にあるものなので、あまり細分化されたターゲットを設定すると世界観が作りにくくなります。

ブランドコンセプトの作り方2 何を提供するブランドなのか

端的に提供できるものを入れます。

・質の高い訪問介護を
・新しい花粉症治療薬を
・リアルな転職情報を
・正しいダイエット方法を
・採寸の細かいセミオーダードレスを

形容詞を付けたり、冗長な説明を付けない方がよいでしょう。事実そのものでOKです。ここにブランドの特性が入るので価値が表現されますが、さらなる付加価値は次に入れます。

ブランドコンセプトの作り方3 どのように提供するブランドなのか

付加価値を入れます。自身のブランドにしかできないであろうこと、実現したいことを入れます。

・スタッフが一流の笑顔で届ける
・副作用がなく、安全、安価に提供する
・親身な担当者が一人ひとりに寄り添って紹介する
・カウンセリングに基づいた苦痛のない解決策を提案する
・ネット通販で提供する

製品コンセプトとの違い

リーボックが「イージートーン」というダイエットシューズでヒットを飛ばしました。あのブランドは、「運動不足に悩む人に向けて、身につけるだけでエクササイズ効果が得られる靴やウェアを提供する」といった感じで作ったのではないでしょうか。「日常生活の中で太ももとふくらはぎの筋肉を彫刻のように整える。履くだけでジム」という言葉によってセンセーショナルに発表されましたが、あれはブランドコンセプトではなくて製品コンセプト。

イージートーンは靴の名前ではなくてブランド名なんですよね。靴だけではなくて、着るだけでエクササイズ効果のあるインナーウェアも同名ブランドで展開されています。

製品コンセプトとブランドコンセプトは似ていますが、ブランドコンセプトはあくまでもそのブランドの世界観や提供できる価値を示す指針です。展開しづらくなるので、あまり狭い意味にしない方がいいでしょう。

ブランドコンセプトの作り方4 嘘なく、一言で概念を言葉にする

1から3の「誰に何をどうやって提供するのか」を書き出したら、一言で表現してみましょう。

・高齢者の方を笑顔で笑顔にする
・日本中の花粉症患者の真のパフォーマンスを引き出す
・迷える30代の羅針盤
・苦痛なく綺麗は実現する
・本物のドレスの美しさと優越感

キャッチコピーっぽくなったりならなかったりすると思いますが、この言葉はわりと何でもいいのです。もっと長くなってもかまいません。最初に書いたように、これは内側向けなので。

イメージとしては、ブランドコンセプトは絶対揺るがないピラミッドの頂点に据える言葉。その下に、製品コンセプトや、サービスコンセプトや、キャッチコピーや、ビジュアルアイデンティティや、ターゲットや、ペルソナや、色々なものがくっついてきます。そこには、売るための対外的なきれい事や煽り文句も混ざってくるかもしれません。

しかし、ブランドコンセプトは本質的な価値を示すものなので、破綻しない言葉である必要があります。ブランドコンセプトは嘘がないことが大事。例えば、まるっきり実現しっこないとわかっているのに「安さ日本一を実現する」など、自分の信じていないことは入れる意味がありません。それよりも、真に提供できる価値、信じている価値を入れて作りましょう!

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