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Webライティング講座│ひらがなにした方がよい漢字と、使い分け方、見分けるコツ

文章を書く時には、特定の漢字はひらがなにするようにします。漢字をひらがなにすることを、文筆に関わる業界の用語で「ひらく」と言います。逆に漢字にすることは「とじる」。ここでは、どうしてひらくのか?どれをひらくのか?についてまとめます。

特定の漢字はひらがなに。「ひらく」理由

漢字をひらく理由は二つ。

1 ひらがなの方が読みやすいから
2 漢字にするのが単純に誤用だから

読みにくくても間違ってても、読めればどうでもいいじゃん?という人はGo home!!
人に見せる文章は、読みやすく正しい方がいいに決まってます。日本語は揺れが多い言語なので徹底するのは困難ですが、ちょっと気をつけるだけで変わります。

正直、このサイトはまだまだですが、僕も気をつけています。

漢字が多い文章は大仰で読みにくい印象を与えます。
漢字が誤用されていると意味が通じにくくなります。
読みやすい文章=売れる文章です。

とじた例:
急激な円高転換の為、為替市場は大荒れの有様だ。最も注目されたのは最早説明不要の黒船企業、AAA株式会社だ。様々な媒体で体験型通販への拘りが話題となっている今。敢えて代替わりを行うのは何の為なのか。

ひらいた例:
急激な円高転換のため、為替市場は大荒れのありさまだ。もっとも注目されたのはもはや説明不要の黒船企業、AAA株式会社だ。様々な媒体で体験型通販へのこだわりが話題となっている今。あえて代替わりを行うのは何のためなのか。
(7語をひらいた)

基本は常用漢字外をひらく。ただし例外たくさん

常用漢字というのは、「よく使われる漢字」という意味で内閣が発表している漢字リストです。新聞が、「猥褻、誤謬、顰蹙」などをひらくのはこのため。ただし例外もあります。常用漢字自体がちょっと世間とズレてるからです。

例えば、「炒」「癌」は常用漢字ではありませんが、よく使われますよね。
逆に、「素封家」「沖する」は常用漢字だけど読めない人が多いかも(そほうか、ちゅうする)。

「挨拶」は長らく常用漢字ではなかったので、プロは「あいさつ」と書いていました。しかし、誰でも読めるので、2010年に常用漢字に加えられました。現在プロはどっちで書いているのかというと、「あいさつ」のままという媒体が多いです。
僕も「あいさつ派」ですね〜。

→詳しく知りたい人は文化庁の「常用漢字表」を見てみてください。

当て字は正しい訓ではないからひらくとする人もいますが、これはバランスの悪い考え方だなと思います。たとえばこの漢字。「素敵」「無理矢理」「無駄」「沢山」「誤魔化す」。
素敵や無駄を「ステキ、ムダ」とカタカナにしている文章が多いのは、何となくそうなってるのではなくて、「正しい訓ではないから」なんですね〜。
でも、僕は「素敵、無駄」は漢字でいいと思う。「無理やり、ごまかす」はひらくかな〜。

公式ルールはないので、最後は自分で決める

誤用以外の漢字のどれをひらくかは、媒体ごとにルールが違います。新聞は全年齢に読めるよう努めていますが、マニアックな文芸誌ならその限りではない。「何れも」や「尤も」をあえて漢字にして古めかしさを出す、なんてのもありでしょう。
多くの書き手が参考にしているのは、共同通信が発行している『記者ハンドブック』です。
最終的には、これは採用、これはしない、と自分で決めてもかまいません。

一般的に、ひらくとされている漢字のリスト

「ひらくべき漢字」はたくさんあるので、ここで挙げるのは一例。頻出するもの、よく誤用されているものなどのリストです。

あ 敢えて あえて
あ 明か 明らか
あ 辺り あたり
あ 余り あまり(程度の表現)
あ 予め あらかじめ
あ 有り方 ありかた
あ 有様 ありさま
い 生かす いかす
い 活かす いかす
い 如何に いかに
い 行く いく(移動以外の表現)
い 幾ら いくら
い 何れ いずれ
い 致します いたします
い 頂く いただく
い 何時 いつ
い 一向に いっこうに
い 一切 いっさい
い 一層 いっそう
い 一旦 いったん
い 色々 いろいろ
お 於いて おいて
お 大袈裟 大げさ
お 概ね おおむね
お 恐らく おそらく
お 各々 おのおの
お 凡そ およそ
お 及び および
か 却って かえって
か 拘らず かかわらず
か 且つ かつ
か 辛うじて かろうじて
き 極めて きわめて
く 下さい ください
こ 拘らず こだわらず
こ 事 こと
こ 拘り こだわり
さ 様々 さまざま
さ 然りげ無い さりげない
し し難い しがたい
す 直に すぐに
す 既に すでに
す 全て すべて
す する時 するとき
す 即ち すなわち
す 全て すべて
せ 折角 せっかく
せ 是非 ぜひ
た 大分 だいぶ
た 沢山 たくさん
た 但し ただし
た 達 たち
た 度々 たびたび
た 為 ため
つ 遂に ついに
つ 繋がり/繋げる つながり/つなげる
て 出来る できる
と 捉える とらえる
な 無い ない
な 尚 なお
な 尚更 なおさら
な 尚且つ なおかつ
な 中々 なかなか
な 何故 なぜ
な 何卒 なにとぞ
な 等 など
な 成る なる
な 何ら なんら
は 甚だ はなはだ
ま 先ず まず
み 見掛ける 見かける
も 若しくは もしくは
も 以て もって
も 物 もの
も 最早 もはや
や 易しい やさしい
や 易い やすい
よ 良い よい
わ 僅か わずか
わ 割と わりと

これを気にするだけで、かなり素人臭さが抜けて読みやすくなります。
お試しあれ!

以上、熱血野郎でした〜。

→このページを読んだ人が見ている記事「最強の販促ツール知ってる?」