Webにおけるよい文章とは、ページの半分以上読まれる文章です。そのために一番大事なのは、タイトルとその下に置くリード文。だいたい、人はこの二つを見て読むかどうかを判断します。読ませるためには「ちゃんと情報がある」ことを訴えます。ここでは、リードの書き方について解説します。
ページを開いて3秒で、読む決断をさせる
僕はわりと活字中毒なので読むことが苦痛じゃないのですが、多くの人にとっては文章を読むのは基本的にとても面倒くさい行為です。
これに気づくまで、僕のブログは全敗でした。
Webサイトは、まずは訪れてもらうことを目的に作成します。しかし、せっかく訪問してくれても、お客さんはすぐ帰ってしまうことが多い。星の数ほどWebページはあるので、そのページを最初に見たからと言って、それを見続ける義理はないからです。
検索ユーザーは、3秒で「必要な情報があるかどうか」と「早く情報が得られるかどうか」を判断すると言われています。
雑誌や新聞の読者は情報を購入しているので、読むことに対して前向きです。しかしネットはタダなので、ユーザーはせっかち。とにかく手早く情報を欲しがるからです。
これに応えてあげるよということを、3秒で訴えられる場所は冒頭部分です。
だからリードには結論を書く
ページを開いてすぐユーザーに読む判断をさせるためには、冒頭が最も大事。そのため、リードには次のことを書きます。
1 このページには何が書かれているのか
2 このページを読むとどんなメリットがあるのか
特に大事なのは、「1 何が書かれているのか」。ここに結論が入ります。結論と言ってもすべて詰め込めるわけではないので、あくまでも「本文と結論の要約」です。
これだけ読んでお帰りになる方もいるでしょう。それはそれで仕方ないのですが、それを懸念して結論を隠すのは本末転倒です。結論を隠せば、結局読んでもらえない記事になるからです。
リードは、「確かに情報があるのだな」と確認させることが目的。
安心して読み進めてもらうための呼び水です。
よくあるリードのよくない例
リードには要旨や結論を入れろってことは、Webの世界では再三言われていることです。しかし、Webにはよくないリードが氾濫しています。僕はそれを「雰囲気リード」と呼んでいます。
例えばこんなのです。
・タイトル「35歳から始まった肌トラブルはこう治す!ゼロ円で解決??」
メイクしたまま夜遊びしても何ともない、ニキビもできない強いお肌だった人でも、35歳を越えたとたんにトラブルが続出!実はこういう人、とても多いんです。慌ててビタミンサプリを飲んで、運動して睡眠もとっているのに、治らない。もしかして年!?とお悩みの方に、美肌のコツを教えちゃいます。とっても簡単な方法なので、今日からすぐに試せますよ♡
(肌に優しい洗顔方法を紹介するブログ)
・タイトル「ペットを飼ってる人、みんな壁紙あきらめてない?」
毎日癒やしをくれるワンちゃん猫ちゃん。でも、避けられないのが壁紙の汚れや破れ。去勢してもスプレー行動をする子もいるし、爪とぎ場所は命令しても聞かないし、悪気がないから叱れない。壁紙だけは仕方ない……と諦めていませんか?このアイテムがなら解決できるかもしれません。賃貸住宅の人にもおすすめです。
(剥がせる強力壁紙を宣伝するブログ)
自分で書いたのに、イライラしてきました(笑)
よくない理由は、共感性を重視するあまり提供する情報がゼロになっているから。文章とは情報です。情報がない文章は、どんなにうまいこと言っても結果的には駄文です。
修正したよいリードの例
上のサンプルを、大体同じ文字数で修正してみましょう。
タイトル「35歳からの肌トラブルは皮脂不足が原因かも。ケアを控えましょう」
30代半ばから急にニキビや乾燥のトラブルが始まったのなら、原因は洗いすぎかもしれません。皮脂分泌量がピークを過ぎて下り坂に入るのが、この年代だからです。皮脂は免疫機能の一つ。これまでと同じ強い洗顔でそのバリアを剥がしてしまうと、あらゆるトラブルの原因になります。肌を回復させるための「極限までいじらない肌ケア」を紹介します。
(肌に優しい洗顔方法を紹介するブログ)
タイトル「ワンちゃん、猫ちゃんの爪に耐える強力壁紙!剥がせるから賃貸にも」
ペット可物件でも、ほとんどの賃貸物件には原状回復義務があります。敷金を諦めるのも手ですが、高級物件の場合は2LDKの壁紙の張り替え費が50万円以上という例も。そんな痛い出費を防ぐために有効な手段がこれ。入居時にペット対応のこの壁紙を一枚上から貼るだけで、元の壁紙を完全ガード。爪とぎでは剥がれないのに、水で濡らすと簡単に剥がせます。
(剥がせる強力壁紙を宣伝するブログ)
「何が書かれているのか」「読むとどんなメリットがあるのか」を盛り込みました。
これがものすごい名文だって言うつもりはないです。ただ、少なくとも上の二点は伝わりますよね。
雰囲気リードは、プロの人でもよく書いてます。共感性を高めて呼び水にしようという意図が多いようですが、それが成功しているのは、そもそもその文章を書いている人がすごく面白いか、有名かなので、真似するのは無謀かなと思います。
過去に書いた記事をいかすことができる
情報はしっかり入れていてPVはあるのに離脱率が高い記事がある場合は、リードとタイトルを変えるだけで離脱率が改善できる可能性があります。全面的に書き直しは大変ですが、リードだけなら100〜200文字程度の作業で済みます。
せっかく書いた記事を無駄にしないためにも、ぜひやってみてください!