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文章のコピペがOKな場合とNGな場合。引用ルールはどうなっているか

他の人が書いた文章は、基本的には著作権が作者にあるので勝手なコピペは違法行為です。ただし、正しい引用方法であれば、使ってもかまわない例もあります。文章に説得力を出すために、学術データや、著名人の発言の引用は有効です。ルールを知って使いこなしましょう。

著作権関連でよく耳にする「引用」って何なの?

他人が作った著作物(作品)を、自社のサイトや著書などに記すことを「引用」と言います。文章はもちろん、画像、動画、何かを調査したグラフなどもルールを守って引用すれば使うことができます。

物事を説明する際に、何かの文献やグラフがあった方が説得力は増しますし、信頼度も向上します。しかし、ただ引用元を明記するだけでは引用とは認められないので注意! 以下にルールをまとめました。

著作権があるものを引用する場合に知っておきたいルール

1.改変しない

他人の著作物を引用する場合は、こちらで何かを加えたり減らしたりせずに、そのまま引用しなければなりません。長文を要約することは可能ですが、意味が変わるようなことをすると違法行為となります。

2.引用部分が明確であること

引用する場合は、文字の太さを変更する引用部分の背景色を変更する、『カギカッコをつける』など、明らかに読み手が「引用したんだな」と分かるようにしてください。そのあたりが不透明だと引用の意味が成り立ちません!

3.引用する文章が主体にならないようにする

引用する量にも気をつけて下さい。引用部分が大半を占めると主従関係が逆転するので、オリジナルの作品だとは認められません。
たとえば、他人の書いた小説を2,000文字くらい掲載して、最後に100文字くらい自分の感想を述べ、「これはオリジナルの書評コンテンツです」というのは無理があります。引用として認められるのは、10%未満と言われています。

4.必要性がある場合のみにする

あくまでも主体はオリジナルのコンテンツでなければならず、引用はその説明に必要な場合のみ許されます。
ある小説家の主張について反論したい場合、どの発言部分について反論するのかを示さないと論が成り立ちません。その場合は引用できます。
あなたの主張に必要ない部分の引用は不可。たとえば、その小説のあとがきを丸ごとコピペしたり、書き出しを丸ごとコピペしたりするのは引用ではありません。

5.出典元をしっかり明記する

WEBサイトでも書籍でも、ほぼすべての創作物には著作権が存在しています。情報元を明確にすることで、それが引用であることを表すことができます。
できる限り権利者に配慮していることを示しておくのは、身を守る手段でもあります。

記入例)
ABCサイト:なぜ人は寝ていないことを自慢するのか? より引用

↑できれば引用元のリンクも貼っちゃいましょう。書籍の場合は出版社まで書いておくのがおすすめです。

写真や動画はどうなの?

これまでは主に文章についてまとめてきましたが、写真や動画の引用についても勉強していきましょう。

写真や動画には、撮影した人が所有する著作権、被写体の肖像権、被写体によってはパブリシティ権があります。
ブログやSNSで知らない人が映っているのに勝手にアップすると、本人から「肖像権の侵害!」と訴えられるケースも考えられます。最近、街ブラのテレビ番組でやたら見切れている人にモザイクがかかっているのは、肖像権の侵害にあたる可能性があるからなのです。

パブリシティ権とは、芸能人や文化人など「その顔で商売をしている人がもっている権利」のこと。勝手に写真を使うと、権利者の持っている「その人だけが得られるはずの利益」を侵害したことになってしまいます。
街で芸能人を見かけたからといって、勝手に撮影してSNSにアップするのは違法行為。所属事務所や本人の許可が必要なんですよ。

→画像の著作権についてはこちらもどうぞ「知らぬ間に法律違反? 画像の著作権ルールを勉強する!

学術資料を引用する場合も注意!

学術的資料は著作物とはみなされないので、著作権は発生しません。
→「著作物になるもの、ならないもの」

しかし、資料作成者の意図とは異なる使い方をして著作権者に精神的苦痛を与えたり、著作権者になんらかの不利益をもたらしたりした場合は、著作権とは別の権利侵害が発生します。

たとえば、一般社団法人日本透析医学会という団体は透析医学についての資料をWeb上で発表していますが、利用規約には、「日本の透析医療をより良くするために」作成したデータなので、その目的で「活用されることを意図している」「公開意図と反した使われ方をして団体が不利益を被った場合は損害賠償請求する」と明記しています。

利用規約があるなら、ちゃんと読んで判断しましょう。

→このページを読んだ人が見ている記事「最強の販促ツール知ってる?」