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レコメンドウィジェット配信会社を比較して、違法広告の有無を調べてみた(前編)

広告業界で「バカみたいに利益を生み出している」と言われる、レコメンドウィジェット型広告。伸びているのは効果がある証拠なので、どこがいい会社か調べてみました。料金や効果も大事ですが、倫理観のある会社がいいと思うんです。前編では、なぜかという話を書きます。後編に続きます。

レコメンドウィジェット型の広告とは

自分のサイトに、レコメンドウィジェット型広告を入れて小銭を稼いだ話」にて以前にも書きました。レコメンドウィジェット型の広告とは、関連記事の中に記事と同じ体裁で紛れ込ませることでクリックさせる手法の広告です。ターゲットに合わせて内容を表示させられるのもメリット。
よく見るのはこういうのです。

もっと綺麗で知的な広告もたくさんありますが、問題にしようと思っているのはこの手の広告です。わかりやすく下品なのを挙げました(上の画像は僕が作ったインチキです。念のため)。

「うわあ……」と感じるビジュアルや「ほんとに?」というキャッチコピーにつられて、思わずクリックしたことがある人は多いでしょう。
こんなの知性への冒涜だとムカつく反面、僕はこの広告を見るのが好きです。最近は似た手法が多くて食傷気味とはいえ、あの手この手で広告を見せる技術が詰まっているなあと感心しちゃうんですよね(笑)。
ただ、著作権違反、肖像権違反、景品表示法違反、薬機法違反の表現があるなど、問題のある広告も多い

そろそろ問題にならないとおかしくないですか。違法行為なわけだし。

誰も責任を負わない構造が問題

景品表示法の観点で言えば、広告をクライアントから一任されていた場合を除いて、媒体や代理店には違法な広告が紛れ込まないようにする義務はありません※(消費者庁の「表示に関するQ&A」による)。ただし、広告に不当な表示がなされないよう十分な注意を払う必要はあります
直接関与してなくても罰則がなくても、詐欺のビラをまいたら、結果的には詐欺の片棒を担いだのと同じですからね。

そのため、普通の媒体は広告に自社規定を設けています。新聞でも雑誌でも、広告出稿する時は審査があるのが普通です。特に、社会の公器を標榜する大手メディアはその辺厳しいです。朝日新聞に「万馬券が見えるサングラス」の広告を出そうとしても、絶対に許可が下りません。
しかし、ネットには、レコメンドウィジェット型の広告については不問という態度の媒体が非常に多いです(朝日新聞は違うけど)。
レコメンドウィジェット型の広告は、媒体側にも何が表示されているのかわからないケースがほとんどだからだと思います。システムを組み込んだら、あとは配信会社が勝手にいろいろ掲載する仕組みなので、出稿内容をコントロールできない。僕の経験では、何が掲載されたのかレポートも出ませんでした。
今は、よくないことは薄々わかっているけれど、責任は配信会社にあると言い逃れができる状態なんだと思います。ブランドが傷つくのは自身なのに、背に腹は代えられぬということなのか。

※広告を規制する法律は、景品表示法、薬機法、健康増進法など複数あって、全部の解釈を調べたわけではありません。薬機法では、誰が広告を主導したかが問われるようです。その他の法律ではわかりません。

アフィリエイターが簡単に広告を出せる

レコメンドウィジェット型の広告で違法なものを見ると、出稿主がメーカーではないケースが多くあります。これは、アフィリエイターが出稿している広告です。
メーカーはアフィリエイターに報酬を渡しているだけで、違法広告を作ったわけでも掲載したわけでもありません。だから、罪には問われません。
有象無象のアフィリエイターは、利益を得たら雲隠れできます。

素人でも、お金さえ出せばどんな無責任な広告でも出すことができる。
これも違法広告が溢れる原因のひとつになっています。

広告内容をコントロールすることは可能なようだ

配信会社は媒体の要望に応じてくれるのでしょうか。

2019年6月4日の宣伝会議の記事にこんなのがありました。
メディアの世界観を壊さない」光文社が「popIn」のレコメンドウィジェットを選んだ理由
広告配信会社popInは、女性雑誌『VERY』や『STORY』のWebサイトにレコメンドウィジェット型広告を提供している。メディアの広告審査に合う広告を配信できるよう、自然言語解析テクノロジーを使って最適なレコメンド広告を提供している……。

違法広告云々には触れていないですが、要は広告内容を緻密にコントロールできる・しているとのこと。『VERY web』と『STORY web』を見てみると、確かに『VERY web』のpopIn広告は問題がありませんでした。
一方、『STORY web』は、popInではなくLOGLYの広告が表示されていました(2020年1月時点)。配信会社が変わったようです。すぐ薬機法違反の広告が出ました。

たぶん、『STORY web』の担当者は「STORYの読者には違法広告を見せてもいい」なんて思ってないでしょう。どんな過程があったかわかりませんが、結果的にこうなっちゃってる……のだと思います。
でも、記事通りpopInは媒体に合わせた広告を提供してくれるようです。やればできるんですよね。

広告配信会社が審査すればいい話ではないの?

これは、配信会社が広告審査がすればいいだけの話です。媒体が事前に広告をチェックできない仕組みなんだから、できるのは配信会社しかありません。
つまり、配信会社の倫理観の問題でしょ?
……と思うんですが。
(この記事、消されるかもしれません)

後編では、主要な広告配信会社をねちっこく調べた結果を書きます。
それではまた〜!

→このページを読んだ人が見ている記事「最強の販促ツール知ってる?」