日本に「短期間（6カ月未満）滞在している人」を対象に消費税を免除できるのが「免税店」。必要書類を準備して、条件を満たしていれば、あなたのお店も免税店になる方法があります。免税品の種類や、免税手続きのオペレーションも把握しておきましょう。
免税店って何？誰でもなれるの？
2017年の訪日外国人旅行消費額の年間値は、過去最高の4兆4,161億円。
もう旅行客を無視することはできません。
空港内や都心の家電量販店などでよく目にする「Japan.Tax-free shop」。いわゆる「免税店」は、日本に短期滞在している人が消費税免除で買いものができるお店です。
短期滞在とは、「日本に6カ月未満滞在している人たち」のことです。
・訪日外国人旅行客
・海外に拠点がある日本人で、一時帰国している場合
であれば、消費税を免除された価格で買い物ができます。
でも、免税店になれるのは選ばれた一流企業のお店だけ……じゃなーーい！！！
あなたのお店も、免税店になる方法があります。
外国人旅行客の来店が見込めるなら、検討の価値ありです。
免税店への第一歩！必要書類と条件
免税の許可を受けるのに、必要な書類と条件があります。
1． 必要な書類
・輸出物品販売場許可申請書（一般型）
・許可を申請する売り場の見取り図
・社内で使う免税販売マニュアル
・お店の事業内容が分かるもの(会社案内,HPなど)
・主な販売商品の一覧表
2． 必要な条件
次の1～3を全て満たしていることが必要です。
[1]次のイ及びロの要件を満たす事業者（消費税の課税事業者（※）に限る。）が経営する販売場であること。
イ：現に国税の滞納（その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。）がない
こと。
ロ：輸出物品現に国税の滞納（その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限
る。）がないこと。
[2]現に非居住者の利用する場所又は非居住者の利用が見込まれる場所に所在する販売場であること。
[3]免税販売手続に必要な人員を配置し、かつ、免税販売手続を行うための設備を有する販売場であること。
（※）その課税期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者で、免税事業者に該当する者は、課税選択の手続きを行うことで課税事業者となることが出来る。
＜参考文献＞
「免税店になるには」国土交通省環境省（2019.11.26引用）
熱血野郎的に訳すると……
[1]税金はちゃんと納めているよな！？
[2]ちゃんと外国人旅行客のお客さん、来る場所に店あるよな！？
[３]パンフレットとか印刷物使っていいから、旅行客に免税手続きについて説明できるよな！？（外国人スタッフがいなくてもOK）
免税の際に記載が必要な書類を作成する、カウンター的な場所はあるよな！？（レジがあればOK）
ってことです。
その他、詳しい申請手続きに関しては、こちらをご覧ください。
「一般型輸出物品販売場許可申請手続」国税庁
手続きは、あなたの納税地を所轄する税務署で行います。
いつも確定申告を出している税務署ですね。費用は一切かかりません。
免税品は2種類。ドライヤーと化粧品は種類が違う。
免税の対象になる商品は、2種類に分けられます。
1． 一般物品
家電製品、衣類、カバン、時計、民芸品などがこちら。
「1人が同じ店舗で1日のうちに購入した合計金額が5,000円以上」であれば、免税対象になります。
2． 消耗品
食品、化粧品、衣料品、飲み物、果物などがこちら。
「1人が同じ店舗で1日のうちに購入した合計金額が5,000円以上、50万円未満」であれば、免税の対象になります。
一般物品と消耗品の金額合算は不可能でしたが、平成30年7月から条件を満たせば合算可能になりました。条件とは、消耗品がその場で消費されないように特殊包装されていること。
従来は、ビックロで化粧品3,000円とドライヤー20,000円を買った場合、免税の対象になるのはドライヤーだけでしたが、開封されない包装が施されていればいずれも免税対象になるということです。
申請がおりたら、いざ免税！！
無事に申請がおりたら、さっそくお客さんにアピール！
「Japan.Tax-free shop」と書かれたシンボルマークを店頭に提示しましょう。
このマークの使用には事前の申請が必須です。
店頭での免税手続きオペレーションにも慣れておきましょう。
以下は、店舗での主な手順を示したものです。
1． お客様のパスポートを確認
2． 購入記録表を作成
3． お客様は購入者誓約書にサインし、お店に提出
4． パスポートに購入記録表を貼付し、割印をする
5． 消費税分を差し引いた金額で販売
6． 商品をお客様にお渡し
ちょっとめんどくさい免税。
しかし取り入れれば、観光客の来店が見込めること間違いなし！？です。
以上、熱血野郎でした～