24時間いつでも印刷を発注できるネット印刷。安くて早くて便利なのですが、万能ではないと僕は思っています。なぜなら、度々失敗したことがあるからです。致命的な品質であがってきたこともあります。使い方に気をつけること、従来の印刷会社とも使い分けること大事です。
ネット印刷とは、安くて早い印刷屋さん
ポスターや名刺、チラシなどを印刷したいときは印刷会社へ依頼します。安いのは「ネット印刷」や「印刷通販」と呼ばれている印刷会社です。
ネット印刷は、作成した入稿データをオンラインで入稿して、あとは待ってるだけで納品されるという印刷会社です。今どきほとんどの印刷会社がオンライン入稿に対応していますし、対面での打ち合わせも不要なので、実は「従来の印刷会社」とネット印刷の違いは入稿方法ではなくて、店舗の有無だけなんですけどね。
ただ、ネット印刷を謳っている会社は創業時から人件費の削減を徹底する体勢があるので、従来の印刷会社がなかなか切ることができない無駄がありません。見積もりが速い、印刷も速い、価格が安いという特徴があります。
24時間いつでも発注ができ、見積もりもだいたいの会社は一営業日中には出してくれます。閉店後に事務作業をやりたいショップの店長さんやマネージャーなどの夜型人間にはありがたいですね。
ネット印刷のメリット・デメリット
ネット印刷は店舗を持たず人件費を削減していると書きましたが、大量の同型印刷をままとめて生産することで、印刷工場に空きを作らない「フル稼働体制」も安さの理由です。
ただし、良い面も悪い面もあるので、そこを正しく理解して使い分けるのも大事です。
●ネット印刷のメリット
・見積もりが速い
・コストが安い
・納期が短い
・時間がとられない
●ネット印刷のデメリット
・会社によって印刷結果に違いがある
・品質が低いことがある
・印刷会社からの提案は受けられない
色がぶれる。失敗する場合がある
実は僕は、ネット印刷で何度も失敗してます。色の再現性が低いことがある。データ入稿では、画面で見る色と印刷の色が違うことは知っていました。だから、メインになる色だけは絶対にぶれないようにとDIC番号を指定したのですが、それでもブレブレでした。
あらかじめ「多少のブレは発生する」と明記していて逃げを打っている会社が多いですが、あまりにひどい場合はクレームを出せば刷り直し対応してくれたり、値引き対応してくれたりします。
でも、急いでいる時はまずいです。いくら値引きしてもらっても使えないなら意味ないし。
名刺のロゴの色が全然違うなんていう致命的な品質も、経験があります。
最初に激安のA社で刷ってダメだったので、同じデータを持ち込んで少し高いB社で刷ったらちゃんと色が出ました。ネット印刷の会社が全部そうだというわけではありませんが、どこの会社も同じではなく、仕上がりには幅があるということは知っておいた方がいいです。
時には提案を受けることも大事
ネット印刷は、基本的に打ち合わせは一切ありません。入稿データに問題があった場合にしか、向こうからは連絡をくれません。これが時短につながって良い反面、自分から求めないと新しい情報は入ってこないというデメリットもあります。
「もっとこんな紙があるよ」とか「こういうデザインにはこの加工をするといいよ」とか、やっぱり印刷会社の営業マンにはプロにしかできない提案力がある。
こっちは素人なので、知ってることしか知らないわけです。ネット印刷だけ使っているとどうしても「いつもと同じの」になる。何度発注しても、僕自身に進歩がないな〜と感じました。
できることに限りがある
ネット印刷は、複数の注文をまとめることで低コストを実現しているので、印刷物のサイズが定型だったり、選べる紙が少なかったり、印刷方法や加工方法も、決まった中からしか選べないことが多いです。
「A4コート紙にフルカラー両面印刷のチラシ」とか「A3マットコート紙にフルカラー印刷二つ折りのパンフレット」とか、定番のものを作る時にはこれでいいのです。
でも、「A6変形のヴァンヌーボに特色印刷とエンボス加工をしたグリーティングカード」とか「オリジナルの金型で穴を開け、箔押しをした紙袋」とか、ちょっと変わったことをしようとすると対応してくれる会社が激減します。探すのは至難の業です。
ネット印刷とそうでない印刷会社。上手な付き合い方とは
どっちもいい面と悪い面があるので、ネット印刷一択ではなくて使い分けるのが大事だと思います。また、コスト面からネット印刷一択になるにしても、複数の会社からちゃんと選別するのが大事。
オフセット印刷の場合は最初に作った版を残してもらえるので、増し刷りする時は次も同じ印刷会社に依頼した方が製版代がかからないのでお得です。しかし、オンデマンド印刷ならコロコロと印刷会社を変えてもデメリットはないので、色々な会社を使って経験値を積んで下さい。ほんとに違いがあるので。
最後に、印刷会社の使い分け方法とコツをまとめます。
●使い分け
・量産、高級な販促ツールなど、大勝負の時には従来の印刷会社(打ち合わせして提案を受ける)
・少量、クオリティを問わない場合はネット印刷
●ネット印刷を使う時のポイント
・最初から一社に決めずに複数の会社を色々使って経験値を積む
・ネット印刷の品質が気に入らなければ、恐れずにクレームを出してみる
・納期と予算に余裕があるなら色校正をとる