MENU

知っていれば話がスムーズ!印刷デザインの用語1

飲食店などの店舗では、チラシ、クーポン券、DM、メニュー、ノベルティなどいろいろな制作物がありますよね。デザイン事務所に制作を外注する時、打ち合わせによく出てくる用語を解説します。ちょっと知っているだけで指示出しも楽にできますよ!

用語をあまり知らないと損をしてしまうかも

目次

1.制作や進行に関する用語
2.デザインに関する用語
3.印刷と加工に関する用語
4.写真に関する用語
5.体裁に関する用語

分からない専門用語が出てきても、デザイン事務所の人に聞けばその都度教えてくれます。
しかし、先にある程度知っておけば打ち合わせがスムーズにいきます。
少ない人数でやっているお店にとっては打ち合わせの回数や時間が増えるのはけっこう痛手です。1人抜けることになるわけですから。
私が以前経営していたカフェは私と従業員1人の2人だけでやっていたので、従業員が休みの日は大変でした。
また、用語がある程度分かっていると、金額の根拠も分かるので見積もりに納得できます。変な見積もりに騙されることもありません。
基本的に専門用語やカタカナ語をバンバン使ってくるデザイン事務所はあまり親切ではないのですが、専門用語なしでは説明しにくいこともあります。
印刷デザインに関する基本的な用語をある程度覚えておきましょう。

制作や進行に関する用語

・カンプ
デザイナーが作成したデザインの見本です。最近は刷って持ってきてくれるデザイン事務所は少なくなりました。だいたいPDFやJPGなどのデータで送られてきます。
デザインカンプを三案お送りしました。ご確認ください」のように使われます。

・ゲラ
校正刷りのことです。入稿データで刷った見本のようなものですね。最近ではあまり使われなくなってきました。印刷直前の完成したものです。何に使うかというと、校正に使います。
ゲラをお送りしますので、修正がありましたら赤入れをしてください」のように使われます。

・ラフ
おおまかなデザインやレイアウトを下書きしたもの。だいたいのイメージの構成案です。
仮でビジュアルやキャッチコピーが入っていることもありますが、この段階で見るのは細かい表現ではなく、要素が足りているか、コンセプト通りに進行しそうかです。
ラフを2案作成しました。Aはカワイイ系、Bはクール系です。ご意見ください」のように使われます。

・校正、文字校正
校正は、デザインやレイアウトが壊れていないか、イラストや写真が正しく表現されているか、文章に誤りがないかなど、全体をチェックすること。
文字校正は、その中でも文字部分のチェックをすることを指します。誤字脱字、表記統一、漢字のひらきなどをチェックします。文字校と略して言ったりします。内容の正誤を確認する作業は、特に校閲と呼びます。
文字校正は来週の月曜までにお戻しください。それを最終とさせていただきます」のように使われます。

・色校正
色校正の略です。色がイメージ通りに印刷されるかどうかチェックすること。
だいたいの色味をみることができる簡易校正と、実際に使う紙やインクを使う本機校正があります。色校正を出してもらうと追加料金がかかります。簡易校正は安いですが、本機校正は高いです。本機校正を出すのは、大量生産の時や大きな予算を使う時がおすすめです。
今回は少部数なので、ご予算的に色校は省略しましょうか?」のように使われます。

・入稿
校了したデータを印刷会社へ引き渡すことを指します。出版物などは、入稿した後に初稿、第二校……と何度か校正紙を出して仕上げるのですが、販促物は入稿したら「=印刷に回してください」という意味になり、修正はできません。色校の代わりにPDFデータを送ってくる印刷会社もありますが、データを変換しただけなので、データが壊れてるということはあまりありません。最終確認、というほどの意味でチェックしましょう。PDFデータを送ってくる会社の場合は、それに了承の返事をするまではデータの修正ができます。
入稿日は5月10日、納品日は5月15日となります」のように使われます。

・校了
校正が終了したこと。最終確認して、もう修正はありませんという意味になります。
これで校了ということで承りました。印刷に回します」のように使われます。

・下阪
印刷にとりかかること。校了して、入稿しても、下版していなければ、実はまだ印刷をストップできます。下版とは、版下を作る作業のこと。版下というのは、版を作るための前段階のフィルムを作成すること(最近はデータからダイレクトに製版するので、フィルム工程がないです)。フィルム機でフィルムを作るか、金属版を作るまでは、印刷会社には金銭的・時間的な負担はあまりありません。だから、下版前なら印刷を止められます。下版している場合は、フィルム代や製版代などの実費を請求されることがあります。
印刷会社に急いで連絡しましたが、下版していたのでもう修正できませんでした……。印刷をストップしますか?」のように使われます。


デザインに関する用語

・フォント
書体のこと。文字のデザインですね。フォントを変えるだけで印象をがらりと変わるので、フォント選びは大事です。
「このビジュアルにこのフォントは合ってないんじゃない?」のように使ってみましょう。

・ロゴ
会社やお店などのマークのことです。文字列をデザインしたのがロゴタイプ。イメージをデザインしたのがロゴマーク。ヤマト運輸のトラックを思い出してください。「ヤマト運輸」という文字がロゴタイプで、クロネコマークがロゴマークです。
「ロゴをもう少し小さくして、マークを主体にしてください」のように使ってみましょう。

・タイポグラフィ
文字の配置をデザインの一部として利用する手法を指します。タイポと略したりします。
文字を立体的に表現したり影を付けたりするやり方が多いです。
ロゴを作るときに文字を崩すのもタイポグラフィの一種です。
写真はなくして、タイポグラフィで見せるのはどうでしょう?」のように使われます。


・アイコン
企業やサービス、ソフトウェアなどを視覚的に表現するための簡略化されたイラストです。
SNSなどではプロフィール画像をアイコンと呼びますね。
この部分、少し寂しいので文字の頭にアイコンを入れてみました」のように使われます。

・イラスト
イラストと言うと「一枚絵」を表します。イラストカット/カットと言う場合は、「小さめのイラスト」を指します。カットというのは、書籍の本文がページの途中で切れた時の余白に、隙間埋めに入れたイラストがその名の始まりだと思います。
イラストはイラストレーターに発注します。デザイン費とは別途になることが多いです。デザイナーはイラストレーターではないからです。デザイナーに「ちゃちゃっと絵も描いて」と言うと100%相手をイラッとさせます。タダで追加注文してるようなものですから。
イラストの予算はないので、フリー素材の写真でお願いします」のように使いましょう。


・フリー素材
素材として配布されているイラスト、写真、デザインデータなどの総称。フリーには、無料という意味と、著作権がないという意味があります。
著作権フリーで無料のもの、著作権フリーで有料のものがあります。
ただし、著作権フリーといってもいくつかの権利を残している素材もあります。
→「知らぬ間に法律違反?著作権ルール」もご覧ください。
一枚だけ商品の画像が用意できないので、フリー素材で近いものはないでしょうか」のように使いましょう。

・キャッチコピー、見出し、本文、キャプション
キャッチコピーとはサービスなどの内容を印象深く残るように短い言葉で端的に表現したものです。一番最初に目に入るものという前提なので、キャッチーに書きます。販促物の文章ではここが一番大事。
見出しは本文の前に配置し、本文で説明する内容を一言で伝えるものです。
本文は、説明の本体部分。
キャプションは、写真やイラストなどに対して付ける簡単な説明です。

長いので続きます!
→「印刷デザインを発注する際に知っておきたい用語2

→このページを読んだ人が見ている記事「最強の販促ツール知ってる?」