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紙袋デザイン講座 紙袋デザイン講座

著作権その1:フリー素材の著作権について

デザインをする時に欠かせないのがフリー素材。時間の短縮になるので素材は有効に使いましょう。「無料 素材」「フリー 素材」などで検索すると、沢山のデータがヒットします。しかし、無料でフリーだからといって、作者が著作権を放棄しているとは限りません。

「フリー」には二つの意味がある

フリー素材の「フリー」という言葉には、実は二つの意味があります。

1 使用料が無料の意味
2 権利者が著作権を手放しているという意味

これを混同してはいけません!
無料だからといって誰も著作権の所有者がいないとは限らないからです。
タダで使っていいのなら、著作権を放棄したも同じじゃないの?と思われるかもしれませんね。ところがそうではありません。

著作権には沢山の権利が含まれている

ある作曲家が、平和をテーマにした歌を作りました。
町の小学校から、合唱曲に使わせてくれないかと依頼がきました。
それを知って作曲家は、ぜひ沢山の子どもたちに歌ってほしいと思い、曲を無料ダウンロードできるようにしました。しかし、この作曲家は曲に関するすべての権利を放棄したわけではありません。

もし、すべての権利を放棄すると、こんなことが起こりかねないのです。
音楽事務所が自社で有料ダウンロードを開始し、大儲け。
他の作曲家が自分の作品として発表。世間は自分の方を泥棒呼ばわり。
タイトルや歌詞を変えられ、下品で公益に反する曲にされた。
勝手に改変されたのに、自分の名で出回り続けて非難の嵐。

無料ダウンロードをOKにしても、これらの事態を招かないようにするのが、著作権です。
著作権利者は、作品を誰が公表できるのか、クレジットはどうするのか、改変してもよいのか、販売してもよいのか、貸し出してもよいのか、といったことについて細かく決めることができます。
正確に言うと、著作権利者は細分化された沢山の権利を最初から持っています。
著作権という一つの権利ではなく、著作権とは、これら権利の総称ということです。
そのため著作権は、よく「権利の束」と呼ばれます。

フリー素材の著作権の調べ方

素材サイトには大抵、ライセンスについての注意書きがあります。
紙袋のデザインに使用するなら、次の3つのポイントが明記されていればOKです。

1 商用利用が可能
2 改変が可能
3 クレジット表記不要

ほとんどのサイトでは再配布は禁止されています。再配布とは、素材サイトの作品を自分が作った別の素材サイトで配布したり、素材集として出版したりすることです。

「パブリックドメイン」とあればOK。著作権を誰も持たない

パブリックドメイン(public domain)とは、「著作権が切れている著作物」または、「権利者が著作権を手放している著作物」のこと。
著作権は作者の死後も保護されますが、70年経つと保護が消滅します。
モーツァルトの曲で演奏会を開いたり、夏目漱石を青空文庫で読めるのは、著作権が切れているからです。
PDとあれば、商用利用可能、改変可能、クレジット表記不要です。

しかし、パブリックドメインでもすべての権利が消滅するわけではありません。
作者の死後70年でも、著作者の人格を守る「著作人格権」は保護されています。
作者を愚弄し遺族を傷つけるような悪質な改変を行うことはできません。遺族から訴えられるリスクがあります。

ネットでは「クリエイティブ・コモンズ」を知っていると便利

クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)とは、権利者を守りながら作品を有益に共有するために作られた、ネット時代の新しいライセンスです。略称はCC。
著作権は沢山の権利の集合体なので、作者が何を許可し、何を禁止しているのかが判然としません。文章でだらだらと規約を書いても、誰も読まないでしょう。
そこで、その複雑な定義をスッキリさせたのが、CCです。
アメリカの非営利団体が策定したものですが、今では世界中で使われています。

ネットでフリー素材を探すと海外サイトへのリンクを踏むことがよくあります。
英語だからわからない、面倒…と思うかもしれませんが、クリエイティブ・コモンズのルールを知っていると、CCの表記だけ見れば権利範囲が一発でわかるのでとても便利。

紙袋のデザインに使用したい場合は、次のライセンス表記であればOKです。

1 CC 3.0またはPD(権利放棄、パブリックドメイン)
2 CC BY(クレジット表記の義務。改変、商用利用OK)

かみちゃん
かみちゃん: 詳しくはクリエイティブ・コモンズジャパンのサイトもご覧ください!

著作権を侵害すると大変なことになる!

ライセンスを無視して著作権を侵害すると、いわゆる「パクリ」です。「万引き」とか「いじめ」と同じで、言葉は軽いですがやってることは犯罪です。民事上で権利者に訴えられて損害賠償を請求される可能性だけでなく、相手が告訴すると刑事罰を受ける可能性もあります。その罰則が、意外と重い!特に、法人が著作権を侵害した場合は「3億円以下の罰金」です。商用利用は本当に慎重にしなければなりませんね!

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